
住宅ローン相談へのきっかけ
早いもので開業して10年が経とうとしています。当初は全くお客様のいない状況でした。ただ今もそうですが生命保険の見直し相談だけは順調でした。
クレジット会社に勤務していたのでローンや審査などを得意としていた私FP永野ですがいくらブログやHPに住宅ローンに関して書いてもお問い合わせがない状況でした。
おかしいな?なんでこんなにハウスメーカーなどの売り手の情報がはびこった業界なのに買い手、つまりお客様に有益な情報を出しているのに相談がないんだろう?と不思議でした。
熊本は金利が高いので0.5%くらいの金利を使いましょうと言っても、フラット35は手数料で選ぶんですよと言っても反応のない日が続きました。
もしかして熊本はたとえ有益であっても情報や相談にお金をだす習慣がないのかもしれないのか?そんなことも考えたりしていました。
もしかしてこんなにひどいハウスメーカーのセールスより私の方が信用がないのかも?などと自信を失いながらもブログやHPで情報提供を続けていました。
そんなある日、あるお客様から電話が入りました。
『保険の見直し』をプロの方にお願いしたい。そんな相談でした。でもよくよく話を聞いてみると本当は家計が厳しくなっているので『保険でも』見直してなんとかならないかという相談でした。
実際にお会いしてみると『保険の見直し』の相談と言っているわりになかなか保険の話にはなりませんでした。そこでこちらから話を切り出してみました。
『本当は別の話があるのではないのですか?』
そういうとやはり図星でした。出てきたのは住宅ローンの返済予定表です。借換をしたいがどうしていいかわからないということでした。
金利をみるとなんと4%。高い!
なんで4%なのか詳しく話を聞いてみると過去にクレジット的トラブルを起こして借換ができない状況だというのです。
実際にCICと銀行協会の個人信用情報を取得すると『異動情報』が出ていました。クレジット会社にいたのでCICの見方は理解していました。これでは借換ができないのですが計算してみるとあと1年半で情報が消えるはずでした。
そして1年半後に3つの銀行に申込しました。1つは仮審査でNGでしたが2つはOKでした。しかもその2つはネット銀行でした。
晴れて4%の住宅ローンから0.7%くらいまで金利が低下、月の支払額も大幅に減少しました。そして『保険の見直し』もしてもともと収入は結構あったので家計は急回復となりました。
この相談がきっかけでHPやブログの書き方が変わりました。そう、知識より実際の利用に関してになりました。なのですぐに使える知識であり実用的となったのです。
すると急に住宅ローン相談の申込がき始めて今までの保険しか売れないFPから相談でお金がいただけるFPへの足がかりを掴んだのでした。
住宅ローンはなぜ自分で決められないのか?
雑誌や本を読んでいるとそこに書いてあるのはどう読んでも売り手に都合のいい情報しかありません。簡単に説明するとトランプゲームの『ババ抜き』を思い出してください。
相手があなたに引かせようと札を目の前に出します。あなたはババを引かないように慎重に相手の目をみたり仕草や勘を働かせたりして1枚のカードを引きます。
でもそのカードはババでした。もっというと全部が『ババ』だったとしたらどうでしょうか。これを住宅販売に例えるならハウスメーカーのセールスがキッチンはこの3つからお選びください。というわけです。
でもその3つともハウスメーカーに都合がいいキッチンなのです。大量に仕入れするので仕入れ値が安くお客様がどれを選んでも利益があるというわけです。
『他にはないのですか?』
と聞いてもいいですが高くなりますよ。と言われます。そうこの3つから選ばなくても利益が出るようになっているのです。
住宅ローンも同じです。見積もりが出たら『まずは住宅ローンの仮審査をしておきましょうね』と言われます。どこの銀行かといえば決して自分が選ぶわけではなくハウスメーカーが選んだ金利が高い『提携銀行』です。
たとえばここで『ネット銀行を使いたいのですが』と言ったりします。そうするとセールスから反論が帰ってきます。『金利は低いけどめんどくさいですよ』や『審査が厳しいですよ』などです。
つまりセールスはお客様の家計なんて関係がないのです。売りたい商品に誘導して自分たちに都合がよく楽な銀行にしてもらいたいのです。
もし自分の家計が大切で本気で住宅ローンを考えるのであればセールスがお引きくださいと言って出したオールババの『札』を総とっかえして自分たちに都合のいい『札』に取り替える必要があります。
そうです。住宅ローンを自分たちで決めて自分たちで申し込む必要があるのです。
住宅ローンは受験と同じ
自分たちで住宅ローンを決める。いうのは簡単ですがこれは意外と難しいことです。なぜなら銀行によってかなり違いがあるからです。
金利も違ければ審査方法も違う。団体信用保険も違えば申込方法も違います。自分たちでわからない、聞いた方がいいという方が当オフィスに相談に見えているわけです。
そこで説明するのは『住宅ローン選びは大学受験と同じ』ということです。受験ではまずは本命を選びます。次に滑り止めをそしてもう1校くらい自分の偏差値と同じくらいの学校に受験します。
この滑り止めを確実に合格できるからこそ本命を思い切って受験できるのです。まずは受験して合格してからどこの学校に行くかを決めますよね。
ではどこが受験と住宅ローン選びが同じなのか。
それは住宅ローンも本命、滑り止めともう1つの銀行に住宅ローンの申込をするのです。そして仮に全部の銀行から承認の連絡がきたら1つの銀行しか借りることができないので『どこで借りるか』を決めます。
本命としては2つ考えられます。1つは金利が低い銀行の住宅ローンです。たとえばネット銀行の0.4%台などがそれに当たるでしょう。もう1つは全期間固定金利のフラット35です。
滑り止めと言っては失礼かもしれませんがあと1つは確実にローンを通しておかないと安心して家が建てられないので金利は高いですが地元の地方銀行に申込をします。
住宅ローンに関しては銀行はいくつ申し込んでも大丈夫なのです。セールスはイヤな顔をしますが気にしなくていいのです。
ここでわかったと思います。
なぜハウスメーカーが地方銀行ばかりをオススメするのか。そう、審査が通りやすいので『売りやすい』からです。そしてセールスにとっても店舗に行かせるだけでいいのでめんどくさくないのです。
本命が受かれば決まりではないのが住宅ローン
住宅ローンは通常の受験とは違うことところもあります。それは本命、たとえば金利が0.4%台と低い住宅ローンが通ったからと言って無条件に決めるというわけではありません。
当オフィスでは本審査が全部通ったとしても1つ1つの銀行の住宅ローンには利点欠点があり、それを比較検討して1つの銀行に決めます。
なぜならハウスメーカーがオススメする提携ローンがたとえ金利が高いからと言って悪い住宅ローンではないからです。
住宅ローンという商品は金利なのですがその『おまけ』と言える団体信用保険が結構充実しているのです。ガンになったら住宅ローンを支払うことなくそのまま住むことができます。
また入院したら一時金として10万円出るなどがん保険や医療保険の効能もあります。これは一考に値するものです。そんな利点欠点をテーブルに並べて決めるのです。
その結果、金利が高くても提携ローンに決めるのであればそれはいいのではないかと思っています。1番よくないのはセールスの思惑のまま他の住宅ローンを考慮することなく決めることなのです。
あとで『こんなに金利が低い銀行がたくさんあったのに』と後悔する人が本当に多いからです。スマホで『熊本
住宅ローン金利』と検索すればよかっただけなのにいうがままというか調べたり聞かなかったお客様が悪いのです。
住宅ローンはセールスではなくあなたが支払うものです。なので本来はあなたが決めるべきものなのです。それを調べることもなくわからないからといってセールスに委ねるなんてありえない話です。
マイホームは人生で1番高い買い物です。性善説が効く業界ではないので自分の家は自分で決めてください。住宅ローンの支払いは高額であるがゆえに老後資金に大きな影響が与えます。
いくらいい家と宣伝されて買ったはいいけど家計が厳しくなって家族がギシギシな関係になったらそんな家は失敗の何者でもありません。
マイホームは正しく購入しましょう。
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