
今月の相談は住宅ローンが通らないがテーマ
私のようにFPと言っても何か金融商品を販売するというよりお客様から相談を受けて悩みを解決するという相談業務をしていると不思議なことに相談内容が時期により偏ります。
今月の偏りは2つです。1つは建売の相談。もう1つは住宅ローンが通らないので通してほしいというものです。今回はこの両方で『建売を買うのだけど住宅ローンが通らない』という相談に関してです。
まずは結論をいえばこう言いました。
『住宅ローンは通したけど家はまだ買わない方がいい』
せっかく通らない住宅ローンを通したのになぜ家は買わない方がいいと言ったのか?私が実際に話したことを含めて説明します。
住宅ローンは受験と同じ
私の高校時代ですがバブルの真っ最中でした。親の苦労も考えずに大学は2年計画と言い放っていました。今から考えるとなんて親不孝な子どもだったのでしょうか。
1年目にある大学を受験しました。内心この大学は受かるだろうと思っていました。そんなことを考えながら忘れもしないあの大学の掲示板の前の合格番号を見に行きました。
『(番号が)ない!』
よく考えれば対して勉強もしていないのによくそんなことを考えたものですが自分1人で勝手に受かると思い込んでいたのにもかかわらず落ちたことにショックを受けていました。ボー然としながら掲示板の前で勝手に自分に誓いました。
『来年は絶対に受かってから蹴ってやる』
あれからちょうど1年後に朝一でその大学に行きました。そして前年と同じように掲示板の前に行き自分の受験番号を探しました。自分の番号を見つけた時に一言言いました。
『ざまあみろ!』
こうして前年自分に誓った受かって断るを実践して別の大学に行きました。今回の話も全く同じ話なのです。
自分の人生に傷をつけない
お客様よりローン審査が通らなかったこと、その時個人信用情報を見てみればと言われたことを聞きました。お客様が取得した個人信用情報を見せてもらいながら『大丈夫』と思い仕事を引き受けました。
お客様はどう思っていたかわかりませんが私の方針はこうでした。『ローンを通して買わない』です。ライフプランを作成してみてまだ少しですが早かったのです。
もちろんこれで病気になったらとも考えたのですがまだ20代でその可能性はどうか。それよりもまだ若いのに住宅ローンが通らないという傷の方が深いのではないか、それを取り除いてあげよう。と思ったのです。
さて今回の住宅ローンはフラット35でした。フラット35で断られた場合には2通りがあります。1つは金融支援機構の審査で断られた場合。もう1つはその前に断られた場合です。
今回はその手に審査が厳しい金融機関のフラット35だったので仕事を引き受けた次第です。まずは仮審査の書類を作成しました・そして予想通り通ったわけです。
これで第一段階が終了です。
お客様に仮審査の承認が下りたと報告するとかなり意外だったようで喜んでいました。その時にもう1つの話を出しました。
買わない自由ができた
住宅ローンが通ったからと言って必ずしも買わなければならないわけではありません。むしろここでは買ってもいいし買わなくてもいいという選択の自由ができました。
『ローンが通らなくて買えない』と『ローンは通ったけど買わなかった』では人生におけるクオリティーはかなり違います。だからよく考えてくださいと言いました。
話しながら内心『これで満足で買わないのでは』と思って話を聞いていました。あの受験での掲示板の前で『ザマアミロ』といった私と同じ声が聞こえたような気がしたからです。
でも私が買うわけではありません。それでも『買いたい』と決断したなら全力でお手伝いします。さてどんな結論を出すのでしょうか。
でもただ1つ言えることは『ローンが通らない』は業者の責任の場合もあるということです。その結果で傷つく人がいるのです。家を買う道具扱いはやめてほしいと心から言いたい。
住宅ローンをそんな扱いをしているハウスメーカーのセールスが多すぎだ
客観的視点からのマイホーム相談 通話無料 0120−929−943 担当FP 永野 修