
投資は危険ではない
日本が投資後進国を言われて久しい。私自身もすでに投資に関わって14、5年経つがその間にも何度か投資ブームがあった。買えば儲かるという誰でも儲かる相場というもが過去何度かあった。今のアベノミクス相場と言われる相場もそうです。
誰でも儲かる相場は人々の間に投資ブームを作りだしていきます。本屋には株式投資で1億円稼ぐ方法見たいな怪しげなHowto本が山のように積み上がっていたこともありました。
しかしそのたびに9.11、ライブドアショック、リーマンショック、3.11などの暴落イベントが発生し、大損害を被り『投資は怖い』と言って株式市場から去っていった人をたくさん見てきた。きっとまた同じことが起こるのであろうことは容易に想像できます。
では本当に投資は危険なのでしょうか。
結論から言えば投資が危険ではなく、危険なのは未熟な知識で投資をしているあなたなのです。免許取立ての人間がF1に乗れば危険に決まっています。怪しげな人にあなたもF1に乗れますよ。と言われて公道を運転しているのです。事故を起こしても責任はあなたなのに気がついてください。
投資の方程式を無視するなかれ
先日弊社にセカンドオピニオン的に投資の相談に見えられました。提案書なるものを見てみましたが驚きました。何を驚いたかと言えば投資商品、具体的には株式投資信託を購入させることだけが目的の提案書でした。投資信託を買えさえすればあなたの幸せが近づいてくるのでしょうか。
よく新聞、雑誌などで売れ筋の投資信託なるもののランキングを見ることがあります。まあ、見事なまでに私なら絶対に買わない商品が並んでいるのです。なんでこんな儲からない商品を買ってしまうのだろうか。実はここに日本が投資後進国たる所以があるのです。
投資には住宅ローンと同じように方程式が存在するのです。
投資の方程式 = 投資種類 × 手数料 × 税金
日本の株式投資信託は手数料が高いのです。FPとは顧客の利益を最大限尊重することが求められているのです。例えば同じ日本株式に投資をするのであればこの方程式に則ってパフォーマンスの良いものを選ぶべきではないでしょうか。
少なくても販売手数料3%以上で信託報酬1.7%なんて投資信託を選んだらどうでしょうか。FPであればそれよりももっとお客様に有益な投資商品、例えばETF(上場投資信託)の話をすべきではないでしょうか。ETFであれば手数料は1000円以下で信託報酬も0.2%以下なんて商品がたくさんあります。
このように売り手の都合でお客様も購入するので当然誰でも儲かる相場のときは機会損失が発生し、下落相場のときは人より多くの損が発生するのです。
まずは投資の対象が上がるかどうか、次にその中でも手数料が安いもの、次に税金はどうなのかで考えていけばエラーという名の損は減ります。そのためにはまずは知るべきことを知るようにするか、しっかりした人にアドバイスをもらうかすべきです。
では長期にわたって投資をして利益を出すにはどうしたらいいのでしょうか。
なぜ投資で失敗をするのか
金融機関に投資商品を勧められて投資をしたような気になり損失が出て退場という毎度毎度同じことが行われているのか。それは決して金融機関やFPだけが悪いのではない。お客様自体もやるべきことをしなかったと言えます。やるべきこととは何か。大きく3つあります。
1、まずは自分の頭に投資をすること 2、アドバイスをもらう人を選ぶこと 3、自分にあった投資をすること
1、2はいいでしょうか。1番大事なのは3です。自分に合ったとは何が合うことなのか。これが大事なのです。そんなことも考えずに投資信託を勧める人から購入してはいけないのです。合わせるものは何か。
実は『性格』なのです。
決して投資目的やリスク許容度(これも大事ですが)だけが問題ではないのです。自分の性格に合った投資をしないと長期投資はできないと断言します。
株式投資は上げ5年下げ3年のサイクルがあります。たいていの人は上げ相場のときにブームで購入するので間もなく下げ相場がやってきます。そのときに何が起こるか、そうです、自分のお金が減っていくのを間近に見てしまうのです。
特に暴落の時に自分のお金がすごい勢いで減っていくのは恐怖の何物でもありません。いくら下がったものはまた元に戻りますからといったところで1度恐怖が生じたものは止めることができません。こうやってせっかく投資をスタートさせたのに退場してしまうのです。
購入商品によって上げ下げが緩やかなものから激しいものまであります。例えば債券などは上げ下げは少ないですが新興国の株式などは上下に激しく動きます。上昇で高揚感を感じるからは下落で嫌悪感をもちます。そして同じように『株は怖い』といって退場していきます。
そういう意味で自分の性格に合ったリスク許容度の投資をしないと長期投資はできないです。全ては感情の制御がどこまでできるかにかかっています。これができる人は1、2も自然とできます。なぜなら自分で考えることができるインテリジェンスが高い人だからです。
つまりこの3つをしっかりしなかったことが原因なのであり弊社ではこうしたインテリジェンスの高い人に投資の本質を知っていただきたいと考えています。
投資信託を買う前に
投資を始めてみようとせっかく考えたのですからここはもう1つ根本的なことを考えて欲しいのです。なぜ投資を始めようとしたのか、その目的に合った投資商品はなんなのか、適切な人かたアドバイスがもらえているのか。投資信託を売る人からアドバイスをもらっていないかです。
リーマンショックからすでに7年を経過しました。上げ5年をとうに経過しています。いつ下落相場に突入するかわかりません。下落相場であろうと暴落があろうとも自分にあった投資商品や信用してアドバイスをもらう人を選んでおけば決して危険ではありません。
投資を危険なものにしているのは未熟なあなたの何物でもありません。しっかりした投資をして住宅購入に、老後の蓄えとして、お金を殖やしてください。