
同じ変動金利だが全く違う肥後銀行と熊本銀行
今回は熊本銀行と肥後銀行と言う熊本では住宅ローンのシェアを2分している住宅ローン比較検討をします。本当に熊本は2行でどのくらいのシェアがあるのだろうか?
熊本の多くのマイホーム購入者が利用している住宅ローンの2行ですが実は内容を精査して見ると結構内容が違っています。にもかかわらずそれを知っていて選んでいる人がほとんどいないようにも感じています。
そもそも人生で1番高いマイホーム購入の支払い方法をハウスメーカーのセールスに委ねている時点でおかしいと思わないといけないのですが内容もよく知らないとなるともうどうしたことか、です。
熊本ではそんなことを考えることもなく住宅展示場に突撃するなど竹槍でB29に突撃するような真似をする人たくさんなのでせめて基本的な住宅ローンの知識くらい持って欲しいと思い今回のブログにしました。
1、金利の違いにおける支払額の比較 2、団体信用保険 3、支払い開始日
金利差はあるが支払額に差はなし
まずは金利に関してですが全国レベルでの住宅ローン金利水準は変動金利なら0.38%を最安として0.4%、0.5%くらいですが熊本ではあまり使われておりません。
この2つ『熊本銀行』と『肥後銀行』の住宅ローンはネット銀行と比較してみれば確かに金利は高いですが内容はといえば決して悪いローンというわけではありません。
金利は肥後銀行0.825%に大して熊本銀行は0.725%と0.1%違います。例えば4000万円で35年払いで2つをシミュレーションした結果がこれです。
0.825% 月 109781円 トータル 46,066,190円
0.725% 月 107861円 トータル 45,301,418円
差 764772円(熊本銀行の方が安い)
しかし肥後銀行が公務員などのお客様によっては『保証料なし』ですが熊本銀行は保証料がかかります。4000万円であれば保証料は約80万円なのでその差はほとんどないと言えます。
つまりこの2行を選ぶポイントは金利差ではないということになります。
熊本の変動金利は2つに分かれる
最初に変動金利で住宅購入しようと考えた場合に選び方は2つあります。それは金利の低いネット銀行か、それとも金利よりも団体信用保険が充実している地方銀行か、です。熊本銀行と肥後銀行は団体信用保険の充実している方に属する住宅ローンです。
この2つの変動金利のグループからそれぞれ選んで仮審査や本審査をしていき最終的にどちらか1つを選ぶ方法が熊本での住宅ローンの選択と言えます。
では今回は金利差がなかったのでで団体信用保険を熊本銀行と肥後銀行の住宅ローンで比較しています。でも実はここでもあまり差がないです。
強いて団体信用保険での差を言えばがん団信の部分のなります。熊本銀行が主債務(夫)が癌になったときに適用になるが肥後銀行はがんの一時金100万円が女性になっていることが違います。
金利でも団信でも、実は審査でもそんなに差がないのがこの2行です。では何が大きく違うのか。
金銭消費貸借契約の日程が違い その1
簡単に2つの銀行の違いを表にしてみました。金利や団体信用保険、保証料の有無で若干の差はあるものの選択ということでは大きな差とは言えないことは説明しました。
では何が大きな差なのか。それはこの2つの銀行は金銭消費貸借契約のタイミングが違うのです。
土地と建物を別々に購入して住宅ローンを契約する場合の話になりますがこの金銭消費貸借契約のタイミングの違いで差が出ることはこの3つです。
1、支払い開始日 2、団体信用保険の適用時期
肥後銀行はつなぎ融資を使わないので基本的に本審査終了後に金銭消費貸借契約をして土地決済や着工時決済をします。金銭消費貸借契約した翌月から支払いが開始されます。
つまり賃貸住宅の支払いと住宅ローンの支払いが重なるのです。これはよく考えれば大変なことです。もちろん資金的に余裕がある人ならいいですが賃貸とのダブルでの支払いは結構な負担です。
しかし肥後銀行ではそういうお客様に大して当初は金利負担分のみの支払いでもいいようになっています。例えば引き渡しまでの6ヶ月間は『賃貸住宅+利息』になります。
では6ヶ月後から支払いが開始されるのですがその支払額は420回(35年)ー6ヶ月=414回で残りを支払うようになるのです。でも大きな金額アップはありません。
それに大して熊本銀行はつなぎ融資を使って土地や着手金を決済します。そして金銭消費貸借契約は引き渡し前にします。なので支払い開始日は住宅の引き渡しの翌月となります。
確かに違いはありますが資金に余裕がある人にとっては大きな違いとまで言えないかもしれません。
違いその2 団体信用保険の適用
実は1番大きな違いはこの団体信用保険の適用日がいつからなのかです。これは本当に大きな違いです。それを今から説明します。
肥後銀行はすぐに金銭消費貸借契約があり団体信用保険が適用になります。それに対して熊本銀行はつなぎ融資を使いますので団体信用保険の適用は引き渡し後になります。
つまりもし建築中に癌などで入院になったらどうでしょうか
先日癌ではなかったですがお客様が建築中に入院されてヒヤっとしたことがありました。もちろん熊本銀行を利用したからです。これは考えてみるとかなり怖いことかもしれません。
もしかしたら団体信用保険が適用しないかもしれないのです。マイホームの借入で団体信用保険が聞かないとなればそれは人生において重大な問題です。
では熊本銀行を利用する場合にはそうならないために当オフィスではどうしているかというと本審査終了後に保険の見直しをしてしまいます。リスク回避策です。
つまり肥後銀行と熊本銀行のどちらを選ぶかは以下の結論になります。
ガンの保障(100万円)が夫にあったほうがいい 家賃と住宅ローンの支払い両方は無理
その一方で肥後銀行を選んだほうがいい方は以下の通りとなります。
団体信用保険が早く適用になるほうがいい
もっとも知り合いがいる、近いところに店舗があるなど別のことを考慮に入れるならその限りではないです。
金融商品には必ず利点と欠点がある
熊本銀行と肥後銀行の住宅ローンを比較してもこれだけの違いがあるのですがもっとも金融商品とは全てにおいて利点と欠点があります。
当オフィスで住宅ローン相談で考えるのはどうしたら欠点をなくせるか、何をしたら利点が生きるかを考えて利点が大きくなるのよう金融商品を組み合わせてご提案するようにしています。
問題はこの違いに全く気がつくこともなくハウスメーカーのセールスの言われるがままに銀行で申し込みをしているという無知な現況と言えます。スマホで検索するだけなのですがそれすらしないのです。
熊本銀行と肥後銀行の住宅ローン、どちらが自分たちの状況と環境にあっているのか?ネット銀行を考える前に熊本で家を買うならまずはこれを考えるのが最初なのです。
それすらしないで選ばせている、または選んでいる熊本のマイホーム購入の環境はFPの私からすれば首をひねるばかりです。セールスは家を得るプロなのです。
それならお客様はスマホで検索しつつ自分たちが詳しくなる必要があります。でもめんどくさいですよね。そんな時はご相談してください。
きっとあなたが求める答えが出ることでしょう。
住宅ローン相談 通話無料 0120−929−943 担当FP 永野 修
*当オフィスは無料相談や電話相談は一切やっておりません。ご了承ください。