
銀行によって変わる収入合算
今や誰もがスマホを持っている時代です。わからないことがあればGoogleで検索しさえすればなんでも簡単に調べることができます。
それはマイホーム購入に関しても同じです。先日こんなセールスから家を買ってはいけないということを書いたらすぐにお客様から『全部当てはまるんですけど』と問い合わせがあった。
ネット時代ではいかにして良質な情報に触れるかも大事ですがダメな人をいかにして近づけないかも同じくらい大事です。
そういう私FP永野も選ばれるべくこうしてコツコツと住宅ローン相談という業務で見つけた課題や問題をブログに取り上げています。
今回は連帯債務とペアローンに関して説明します。お客様もネットで調べてから当オフィスに相談に来ているのですがどうも勘違いしていたようでした。
それもそのはずHPなどは東京の会社や人が書いているので熊本の実情と合っていないことから起こっている話でした。東京や関東はマンションが多いですが熊本は一軒家中心ですからね。
熊本の住宅ローンは基本的に連帯債務
熊本の住宅ローンのトップ車絵は熊本銀行と肥後銀行で分け合っていると思われます。この2つの銀行でかなりのシェアになると思われます。
ハウスメーカーでも熊本銀行と肥後銀行の住宅ローンが前提で話が進んでいると言っても過言ではないほど深く入り込んでいます。ネット銀行なんて言おうものならやめて欲しいとすら言われます。
ハウスメーカーのセールスの間ではこの2つの銀行は同じローンのように扱われていますがローンをよく知っている私たちから見ればこの2つは全く違うローンです。
数少ない共通点が実は収入合算をするときに『連帯債務』の形式をとっていることです。フラットも連帯債務なので熊本ではほとんどと言ってもいいくらい連帯債務になります。
この2つは銀行によって連帯債務かペアローンのどちらかを採用しているのですが簡単に言えば図の通りです。連帯債務はローンが1つ、ペアローンは夫と妻というふうに2つに分かれます。
そこからくる利点と欠点があるのですが熊本の場合はほとんどが連帯債務なので連帯債務の利点欠点を抑えることが最初になります。
連帯債務の利点・欠点
例えば妻が過去に癌になったことがあり夫は健康だとします。連帯債務は団体信用保険がどちらか1人だけ適用になります。
夫で団体信用保険を申し込みすればもしも夫が死亡した時は全ての住宅ローンはこの団体信用保険によって消滅します。
団体信用保険は熊本銀行・肥後銀行のどちらも銀行が保険料を負担します。この場合ですと夫が死亡した場合は保険金は銀行に支払われ銀行はその保険金で債務を消滅させます。つまりチャラになります。
妻が団体信用保険に加入できなくても夫が団信がつきローンが実行でします。反対に夫が過去に癌になったことがある場合では奥様が団体信用保険に加入できればローンが組めます。
その代わりこの場合は夫が死亡したときにもローンが残ってしまいます。なので妻に団信をかけるときは夫の死亡保障が適切な保険金額になっているかの確認は不可欠となります。
そして住宅ローン控除は夫・妻それぞれの持分の割合で利用できます。ここはペアローンと同じです。ちなみに連帯保証人のローン控除は債務者のみです。
この団体信用保険がどちらか1人というのが大きな特徴になっておりそこから利点欠点が生まれています。
連帯債務の問題点
実は連帯債務には決して銀行が言わない問題点があります。それはいわゆる債務免除益の問題です。住宅ローンにおける債務免除益とはどんなものか。
例えば連帯債務で3000万円の住宅ローンを契約したとします。登記の持分は土地、建物それぞれ半分半分だったとします。
ここで夫が死亡したとします。すると団体信用保険が適用になり住宅ローンが消滅し妻はローンを支払うことなくそのままこの家に住むことが可能になります。
ここで問題が生じます。
3000万円のローンで持分権利が半分ずづということは借金も夫と妻の半分半分のはずです、この場合の半分は1500万円あったということです。
夫の死亡でローンがローンがなくなったと言うことは妻は病気になったわけでもないのに借金1500万円が消えたことになります。つま銀行から債務が免除されたことになります。
この債務が免除された金額分、ここで言うなら1500万円に対して一時所得がかかると言うのが判例であります。つま妻に税金がかかると言うことです。
ローンの残高によりますが結構な額の所得税と住民税がかかることになります。つまり夫の保険金から払う必要があるかもしれないのです。
貰ったお金ならそのうちの一部を戻すだけですが免除されただけで貰っていないお金を税金で払うのは結構大変なことです。
連帯債務を考えるときにこの問題を無視することはできません。ご注意ください。
連帯債務の銀行はどこ
熊本では基本的に収入合算は連帯債務が中心と言いました。上記の債務免除益を考慮したりやローン控除が1人のみでいい場合は連帯保証人でもいいです。
熊本銀行や肥後銀行、フラット35のほかにも連帯債務を採用している銀行は例えば楽天銀行や三井住友銀行などがあります。
ネット銀行の多くはペアローンになっております。住宅ローンに限らず金融商品には必ず利点と欠点があります。それを理解して上手に使うことが求められています。
お気をつけください。
もしわからない場合はご相談ください。あなたにわかりやすく説明したのちにぴったりのローンをお選びいたします。
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