
夫には団体信用保険、妻には?
もし奥様の死亡時に住宅ローンを一括できたらその後の生活は楽になると思いませんか?旦那様のもしもの時は団体信用保険がありますが妻の死亡時も実は経済的に大変になるのはご存知でしょうか。
平成28年4月は開業して6年目の決算月になります。そう開業して丸6年です。いろんなことがありました。全くお客様がいないという『お金なし、お客様なし、人脈なし』という3ない状態でただ今の保険をはじめとした金融商品販売は異常におかしいという想いだけで開業しました。
何がおかしいと思ったのか。それは絶対に私たちFPなら加入しない生命保険や投資しない株式投資信託が数多く、しかも主軸として売買されている。これはどういうことなのかといえばお客様と募集人との知識差を利用したセールストークでの販売が当たり前にされているということです。
あの時よりインターネット、とくにスマホが普及して情報が取りやすくなったとはいえ6年経った今でも異常におかしい状況に変わりはなく、こうしてブログなどでFP永野としての考え方を書いて多くのお客様に賛同していただきお客様をご紹介していただき今があります。感謝してもしきれません。
この6年間に数多くの失敗もしました。ご迷惑もおかけしたかもしれません。ですが後悔している相談はたった1件しかありません。本日は恥を忍んでその1件いまだに忘れることができない後悔を書いてみます。
それは『妻の保険を軽視していないか』です。
生命保険相談の多くは旦那様を主体としたものが殆どです。ですが奥様がもしも死亡した時のことを考えていますか?きっとそんな可能性があるとは認識していることでしょうが重くは受け止めていないことでしょう。ですがそれが現実化してしまったら・・・そんなお話です。
マイホーム購入後に奥様にもしものことが起こった時
住宅ローンにはフラット35は任意でありますが通常は団体信用保険があります。これは住宅購入者が死亡した場合に以後の住宅ローンを支払うことなしにその家に住むことができます。実際に私自身も父が白血病で亡くなった時にまず最初にしたことは何かといえば銀行に行き団体信用保険の適用の依頼でした。
住宅ローンの契約者の多くは夫だと思いますが夫のもしもの時には団体生命保険が適用になります。ですが妻の死亡時はどうでしょうか。もし妻の死亡時にも住宅ローンの支払いがなくなったとすればどうですか。
実は夫が亡くなった時も確かに大変です。しかし奥様が亡くなった時も同じかそれ以上に大変です。夫が仕事をしている時にお子様の面倒は誰が見るのでしょうか。実家が近ければ見てもらえるかもしれません。ですが親が高齢で健康でない場合や県外に住んでいる場合はどうでしょうか。
精神的な悲しみは癒えることはないと思いますが経済的なことに関しては備えることができます。
そのコストはいくらかといえば通常2000円台です。あの時あと2000円保険料を多くいただいておけば。そう思ってならないのです。もっと旦那様とお子様が経済的に楽だったのではないか、4年経った今でも忘れることができないのです。
保険料を安くしたいと言われたことに縛られて
奥様からの依頼が住宅を購入するので保険料を抑えたいということでした。旦那様の生命保険を見てみるといつも見るような定期保険付終身保険でした。誰もが知っている大手企業に勤務しているので健康組合の付加給付もあり今よりかなり内容も保険料も改善できます。
問題は奥様の保険でした。内容に乏しく保険料も安い。ですがお子様の今後の成長を考えるといかにも保障が少なすぎる。いわゆる学資保険もないし教育資金の準備もできていない。それを満たして生命保険を作るとどうしても保険料がアップしてしまう。
でも住宅購入を間近に控えてだったので住宅ローンの支払いを考えると保険料には予算があることも理解できます。死亡保障で終身保険を使うので月に8000円程度保険料が上がるのですが、奥様に依頼では保険料ダウンだったのですが状況的にお子様のために保障をもっとしっかりしたほうがいいと思い頭を下げました。
保険料が上がってしまいますがこれより保障内容を下げると実際に保険を使うことになった時を考えると心もとない。ですから保険料は上がってしまいますがこの内容でいかがでしょうか。奥様は少し考えましたが了承してくれました。
本当はあと少し保障をよくしたほうがいいのですがすでにアップしていますので遠慮してしまいました。
まさか・・・
そして2年後のこと。電話がかかってきました。妻が亡くなったと。お通夜、葬儀に参列し後日保険金の支払いの手続きをして保険金を出し終えた時に気がつきました。『あ!』
もし収入保障保険で奥様のもしもの時に住宅ローンの支払いを無くせていれば・・・そう思ってしまいました。確かに保険料アップさせた時に奥様に頭を下げていた私の姿を見ているので遺族の方には感謝されました。あの時の頭を下げていただいたのでいい葬儀ができましたと。
ですが心からその言葉に感謝できない自分がいました。あの時遠慮なんかしないで言っていればよかった。それからは提案してお客様に選んでいただいています。本来それがあるべき姿なのですよね。
それ以降住宅ローンの相談ではライフプランを作成するのですが旦那様のことだけでなく奥様のもしものことも考えてリスク管理をしていただくようにしています。そう住宅ローンがなくなるようにプランニングしています。
ですがある方から言われたのですがそれもよし悪しだと。その言い分は夫に大金が入ると遊ぶということです。お金には魔力があり大金は度々人の人生を狂わしますからね。それを含めて判断していただくようにしています。
住宅ローンを考えるなら保険も老後資金も考える
そんなこともあり住宅ローンの相談でもライフプラン作成の上に今も明日も老後も安心できるプラン作りをしています。住宅購入して未来を壊したのではその住宅購入は本末転倒ではないかと思うのです。幸せになるために家を買ったのにそれにより不幸の切符を手に入れては意味がないです。
ですがそんな住宅購入を多く見ますし、それをしてしまい家計で苦しんでいるご夫婦を多く見るものまた事実です。ぜひ住宅購入時は家計や人生を考え直す絶好のチャンスです。このチャンスを逃さないように夫の保険だけではなく妻の保険も、もっと言えば老後資金・教育資金の設計もして欲しいと考えています。