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ローンの支払いが遅れたらどうなるのか知ってますか?

警察官、教師、銀行員みんなマイホームの失敗で堕ちていった

私は17年間に渡ってクレジット会社に勤務していました。クレジット会社での仕事は大きく2つに別れていました。営業と債権管理です。債権管理とはいわゆる督促です。

1番最初に勤務して驚いたことは何か?それはこんなにも支払いの遅れている人がいるのかということ。もう1つが本当に夜逃げする人がいるということ。

全てが現実でした。

中には一見こういう支払いが遅れるなんてことが無縁そうに見える職業の方もいました。誰もが知っている大企業に勤務している人、公務員、銀行員などです。

なんでこんなに収入が多いにも関わらずこの人たちよりはるかに収入が低い私たち新入社員に『お金払ってください』と電話なんかされているのだろうか?

電話すると確かに他の人より話し方はおだやかで上品だったりします。ですが支払いの話になると『今は無理』『もう少し待ってくれ』となります。

『こんなはずではなかった』

まだ新入社員で勝手がよくわからない私は大変失礼ながら興味本位で聞いてみたものです。

『なんでこうなったのですか?』

その理由は様々でした。病気をして収入が減り支払えなくなった人、カードのキャッシングに手を出し雪だるま式に借金が膨らんでいった人などです。

その中で1番強烈に覚えているのはまだ20代の新婚カップルです。旦那様が公務員、奥様が看護士をされていました。勤務先などの属性は問題ないのですが如何せん若いために収入不足で頭金が揃えられなかったようです。

その頭金、今でいう諸費用ローンの申し込みでお会いしたのでした。大手ハウスメーカーとの組み合わせです結構大きかったのですが当時営業だった私は将来的に大丈夫と思い上司に面談を条件に決済をもらったのでした。

これがこの若い夫婦の悲劇の始まりでした。

お子様にも恵まれ幸せの絶頂のはずが

それから数年後この夫婦のことなどは忘れていたのですが債権管理のリスト、言い方を変えますと返済督促のリストでこのリストにそって電話するのでした。

そのリストにこの旦那様の名前が目に止まったのでした。『なんで?』まだ2年目だった私は不思議でした。あの夫婦が支払いに遅れるなんて。そんな感じでした。

自分の名前など向こうも忘れていると思って電話すると奥様が電話に出ました。詳しいことはわかりませんが話を推測するとあれからすぐに妊娠、お子様を出産したようです。

ただでさえ大手ハウスメーカーで高いマイホームを購入しているのに加え諸費用ローンと車まで購入し幸せを満喫していたのですが奥様の妊娠、出産で収入が下がったようなのです。

もともと収支がギリギリだった夫婦は奥様の収入が減ったことでバランスが崩れて、それを補うためにカードでキャッシングして支払っていたのですが枠がいっぱいになり借りれなくなったことから支払いに窮するようになったとのことでした。

最終的には離婚となり奥様は引っ越し。そこまでしか知りませんが当時の私にはセンセーショナルな出来事でした。

ライフプラン的にそうなる運命だった

若い夫婦でしたら子供が生まれることも考えていたことでしょう。大手ハウスメーカーのかなり高いマイホームに新車。ちょっと考えればこうなることはわかりそうなものです。

しかしこのお客様だけでなく皆同じことをいうのです。

『こんなはずではなかった』

若い2人が結婚してお子様ができる。それはしわあせな人生のイベントです。しかし旦那様の計画性のない性格が幸せのイベントを不幸へのトリガーにしてしまったのです。

FPから見ればそれはそうだろう、です。ですが当時サラリーマンだった私も『まさか』と思ったくらいです。つまりこういう出来事は誰にでも起こるということです。

ではこの若い夫婦はどうすればよかったのでしょうか。それは簡単です。でもこの簡単なことなのですがマイホーム購入を考えている人はやってないのです。

ということはいつこの夫婦と同じような立場にたつかわからないということになります。四六時中お金の返済で電話がかかってくる。電話に出るのが怖くなり居留守を使うようになる。

そして今度は手紙が届くようになります。そこで支払えていればまだマシです。土俵を割るがごとくついに支払えなくなると今後は内容証明を経て裁判所呼び出しでした。

警察官の家に車を引き上げに行って逆ギレされたこともありました。銀行員が給料差し押さえされているのも見ました。学校の先生が『すいません』と言って泣いている姿も見ました。

計画的にマイホームを購入しないということはこうなる可能性が普通より大きくなるということです。これでもまだ住宅展示場に突撃しますか?ハウスメーカーのセミナーに参加しますか?

ではこうしたことを目の当たりにした私なら何をするか。また自分が家を買うときに何をしたか。

デットラインの把握をせよ

その時の経験は今のFPという仕事に大きく役に立っています。お客様の相談を受けているときにライフプランを作成していると『これはマズい』とアラームがなるときがあります。

どんなときにウルトラタイマーが鳴るのか。それは収入というか今だけでなく将来の収入を考えたら絶対に支払いがきつくなると感じたときです。

マイホーム予算赤字

 

そんなときにする最低限のアドバイスは3つあります。

1、まずはいくらまでの家を購入しても大丈夫かを知る
2、自分の人生のデットラインを超えた家は買わない
3、金利の高い住宅ローンはやめろ

まずはライフプランを作成するのですがここでも注意があります。絶対にハウスメーカーで作ってもらってはいけないということです。

理由は簡単です。お客様が買う気満々なのに『購入は無理』なんて数字に追われているセールスがいうわけないからです。

なのでライフプランはプロのFPに数種類作成してもらう必要があるのです。最近ただFPの資格を持っているだけの人がソフトに入力だけして作成する会社もあります。

それも同じです。絶対に素人のライフプランは避けるべきです。あくまでももし前出の若い夫婦のようになりたくなければ、です。

昔から言います。人生には3つの坂があると。『まさか』を消さなければなりません。それには素人のFPでは無理です。

はっきり言って『まさか』どころか『やっぱり』というものさえ見て見ぬ振りをすることでしょう。ですがそれを責めることはできません、なぜなら仕事ですから。

当時の私も仕事だったのです。今はそうならないようにするのが仕事です。マイホーム購入を考えている人はやってはいけないことをやらなければマイホーム購入は本当に快適でいいものです

ただ多くのお客様の購入方法が前出の若い夫婦と何ら変わらないのです。本当にその家で大丈夫ですか?言われるがままに購入していると人生終わってしまいますよ。

ライフプランは人生における炭鉱のカナリアも合わせてお読みいただくと理解しやすいかと思います。

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