
マイホーム購入にオレ流は危険
かの有名な兼好法師の『徒然草』の第52段には受験で勉強した人も多いと思いますが『仁和寺にある法師』というものがあります。思い出してください。
『仁和寺にある法師、年寄るまで石清水を拝まざりければ、心うく覚えて、ある時思ひ立ちて、たゞひとり、徒歩より詣でけり。極楽寺、高良などを拝みて、かばかりと心得て帰りにけり。
さて、かたへの人にあひて、「年比思ひつること、果し侍りぬ。聞きしにも過ぎて尊くこそおはしけれ。そも、参りたる人ごとに山へ登りしは、何事かありけん、ゆかしかりしかど、神へ参るこそ本意なれと思ひて、山までは見ず」とぞ言ひける。少しのことにも、先達はあらまほしき事なり。』
日本語訳にすると『石清水八幡宮を拝みに行ったけれども、案内がなかったために勘違いして、その手前まで行って帰ってきてしまった。どんな些細なことにも指導してくれる人は欲しいものだ」
遠い古の時代よりどんなことでも水先案内人が必要だと言っています。人生で1番高額で失敗したら致命傷になりかねないマイホーム購入にも関わらず自分たちだけでハウスメーカーに交渉する人がなんて多いことでしょう。
利害が相反する人の話を言われるがまま聞くなんてよく考えればおかしいと気が付いても不思議ではないのですが疑問にも思わない人がたくさんいます。
少しのことどころか大事なマイホーム購入だからこそ『先逹はあらまほしき事なり』ではないでしょうか。きっと兼好法師もそういうと思うのです。
今年の熊本のマイホーム購入は要注意
ここ3年くらい熊本のマイホーム市場は地震復興バブルで非常に好調でした。その影響で土地も建物も高かったのですが仕方なくそれでも購入していました。
ですがその調子も昨年夏を境に下りだ様になっています。売れ行きが悪いということは買い手から見れば強気に出れるということになります。
また売れないということはマイホーム購入を考えている方にとっては今年は難しい年になるので注意が必要です。ハウスメーカーの経営状態などにも注意を配る必要があるからです。
そこで今までマイホーム購入する方をたくさん支援してきましたが中にはこちらの話を聞かずに失敗している購入者もいらっしゃいます。
今回は過去のお客様にみる熊本でのマイホーム購入の失敗方程式をFPというお金のプロの視点からお話ししたいと思います。
まずFPである私はマイホームを人生の中の1つのイベントと考えています。それに対してハウスメーカーやお客様は人生という視点ではなく家単体で視点を小さくみる傾向にあります。
ということで老後資金という視点でマイホーム購入失敗の方程式をみてみます。
お客様の声をきいてみた
お客様がマイホームが引き渡しになるとお聞きすることがあります。それはこんな質問です。
『新築はいかがですか?』
するとほぼ全員の答えはこれになります。大手ハウスメーカーだろうと小さな工務店で建てようが同じ答えです。『快適です。』皆様やはり新築の良さを実感しているようです。次の質問は
『暖かいですか?』
と聞くとアパートなど『賃貸住宅と違い暖かく快適に過ごしています』と言われます。ここからくる結論は『断熱材』はそこまで気にしなくてもいいのではということ。皆さま電気代も少なくなっているようです。
ただ太陽光発電をつけたお客様に関してはさして効果を感じていない様子があります。というか比較するものがないのでわからないようです。
『もしももう1度家を建てるとしたら何を変えますか』
この質問に関してはいろんな答えがあります。例えば私なら『食洗機を45センチではなく60センチにする』でしょう。するともっと妻が楽になったと思うからです。
そして聞くのがもっと安く建てますというもの。やはり地震での復興で建築価格が高かったのでそんな答えになるのでしょう。
マイホーム失敗の方程式
概ね満足しているマイホーム購入ですが中には『これは失敗では?』と思う購入方法もみます。それは大きく分けるとこの3つになります。
1、大丈夫か? 2、言われるがまま 3、高い
中でも1の大丈夫かはやはりハウスメーカーの噂や評判などまるで調べていないのではないかということです。詳しくは前回のブログを参照にしてください。今、宮崎で大騒ぎになっているのは対岸の火事でしょうか?
たまに『大丈夫、そんなことあるわけない』というかたがいますが根拠のない楽観論はもっとも多い失敗する人の特徴です。気をつけましょう。
2の言われるがままですが、3の高いにも通じます。住宅展示場にさして調べもせずに突撃し、メーカーのセミナーに参加して見事に誘導されている人をよく見かけます。
その挙句価値に対してえらく高い家の見積もりを持ってくる人です。そして住宅ローン金利も高いので普通に買う人よりもかなり高くなるのは当たり前です。
住宅も金利も高ければどうなるのか?もっともそんな家を買ったらどうなるかすら考えていない人が多いのです。ということから考えると最低でもすべきことがわかってきます。
それはこの3つになります。
1、プロのFPにライフプランを作成してもらい予算を決める 2、その予算を元にハウスメーカーや工務店、設計士を探す 3、決めたメーカーや工務店の情報を真剣に集める
絶対にマイホーム購入で失敗は許されないのです。この失敗は場合によっては人生の致命傷になり、場合によっては老後生活に致命傷になります。
老後資金2000万円なんて作れないと騒いでいるのにこんなところで言われるがままマイホーム購入するなんておかしいと思いませんか?
自分の人生を本気で考えるなら『先逹はあらまほしき事なり』という兼好法師の徒然草でも読んでみたらいかがでしょうか。
読むのがめんどくさいならご相談ください。あなたのマイホーム購入をプロのチームで全力で応援します。
通話無料 0120−929−943 担当FP 永野 修