銀行は貸してくれなかったマイホーム購入
私が住宅ローンに思いを入れるのには理由がある。熊本で東京に一軒家に住んでいたというと『すごいね』とか言われるがその家は両親が苦労に苦労を重ねて手に入れて小さな家でした。
子どもの頃は風呂もないアパートで親子4人で暮らしていた。ちょっと大きな声で話すと隣に丸聞こえするくらい薄い壁だった。それでも私には楽しい思い出しかない。
そんな我が家が突然『家を買おう』という話になった。私が高校3年生の時でした。マンションにするか建売にするかを話し合っているときは楽しかった。そして建売にしようと決めた時にあの出来事が起こりました。
『銀行の住宅ローンが通らない』
母は大変几帳面な人で生活は厳しかったようですが支払いは1回たりとも遅れたことはなかった。それなのに住宅ローンが通らないのはなぜ?とかなり悲しんでいたのを覚えている。
結局メインバンクだけではなくどこの銀行も貸してくれずノンバンクの今のオリコが手を差し伸べてくれて建売を購入することが出来た。
自宅の不動産謄本を見てオリコの記載を見ると今でもその時の母の声がそのまま聞こえてくる。 楽しみにしていたマイホーム購入も半減した。その半分を惨めな思いが占めた。
それでも浪人もしたが大学まで出してもらった。今は自分の子どもが大学生なのでその苦労は痛いほどわかる。お気楽だった自分を責めたい気分だ。
自宅を売却することに
あれから38年。その家をやむなく売ることになった。人から見たら狭く汚い家だが私の人生においてはとても美しくしかしその半分思い出深い家であることは今でも変わりがない。
そしてその時の思い。住宅ローンが通らない悲しみをなるべく自分以外の人に味合わせたくないのだ。なぜなら私のように38年経ってもトラウマとなって記憶の奥底に残り続けるからだ。
誰が好き好んでこんな悲しい過去を背負いたいのだろうか?自宅の謄本を見るたびに思い出すあの時のこと、そして今も仕事でローンが通らなかったと話をするお客様の姿と母が重なる。
だから通らない住宅ローンを、いや本当は通るのに通らなかったという話をするお客様をFPとして本来の普通にローンが通って楽しいマイホーム購入になったであろう姿に戻したいのだ。
永野FPオフィスの住宅ローン相談
通話無料 0120−929−943
担当FP 永野 修