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高くなるマイホームへの対処法
昨今円安などの影響もあり建物の値段は上がる一方となっています。以前なら4000万円で建てられたのが5000万円とかなり上がっています。ではどんな対処法があるのでしょうか。住宅ローンという面からそれを考えていきます。1つは金利の低い銀行の住宅ローンを使って月の支払いを下げること、もう1つは多く借りれる銀行で住宅ローンを組むことです
建物で予算オーバー、どうする?
ハウスメーカーや設計事務所で建物に打ち合わせをするとき、まずは間取りを決めていきます。次に細かい仕様を決めていきますがこのときが1番楽しいかもしれません。
床暖房に太陽光発電、キッチンに照明など機器はあなたのマイホームに夢を与えてくれます。ですが時としてその夢が冷めるときがあります。
そうです。見積もりの金額を見たときです。
『え!こんなに高いの?』
そうなのです。住宅は小さい金額の積み重ねでものすごい金額へと変わっていきます。確かにハウスメーカーによって坪単価80万以上だったりしますので地元ハウスメーカーに変えればそれで解決かもしれません。
またキッチンや太陽光、床暖房をやめたり安いものに変えれば解決するかもしれません。ですが本当にそれでいいのでしょうか。
一生に1度のマイホーム。できればわがままに自分の夢を叶えたい。自分たちならではの快適な空間が欲しい、そう考える方もいるのです。今回はそんなお客様からの依頼でした。
FPである私はどのように解決したのでしょうか。ご参考になればと思い書くことにしました。
見積もりをみると確かに高いが
お客様から見積もりを見せられて『どこを削ったらいいと思いますか?』と相談を受けました。見たところキッチンの210万円、設備関係300万円が目立つところでしょうか。
土地と合わせて5000万円が予算でしたが今のままでは5400万円と400万円オーバーになってしまいます。見積もりの月の支払額をみると5400万円35年払いで月に151179円となっています。
月15万円台は確かに高いかもしれません。住宅ローンは通ると思いますが実際の支払いは別の話です。お客様の希望は月に13万円台です。そこから逆算するとあと2万円くらい下げたい。それが依頼内容でした。
となると住宅ローンは5000万円を切らないといけない計算になります。400万円以上削るのはどうなのでしょうか。
ローン金額 5000万円 35年払い 金利0.95% 月 139980円
まずはキッチンの210万円の件でヒアリング。奥さまの要望でキッチンくらいは豪華にしたいということで食洗機を海外製の『GAGGENAU』を選択していました。
豪華にいいものにしたいということでいたずらに国内製の安いものと言う選択は取らずにキッチンデザイナーの和田氏にお知恵をお借りして食洗機を同じ海外製の『BOSCH』にしてオーダーキッチンにしたてコストを少し下げました。
まずは奥さまの希望通り妥協なしで値段を下げることを優先しました。床暖房もそのままにして別のところで機器変更で約40万円下げましたのであと350万円くらい下げたいところです。
しかしグレードダウンはこれで終わりにしました。夢のないマイホームにしたくないと私が言ったところお客様もその提案に強く同意してくれました。
次に金融のテクニカルで支払額を下げることにしました。
ネット銀行に変えたらどうか
5400万円から5350万円にはなりましたが月の支払額は依然約15万円です。住宅をグレードダウンはひとまずやめることにしましたので次に考えたのは住宅ローンの銀行変更です。
そうです!ネット銀行を使ったらどうなるか、です。
5350万円35年0.507%にしたら月の支払額はいくらになるでしょうか。答えは月139044円です。一気に月1万円下がりました。
逆に考えれば月に約14万円として金利0.95%はいくらの住宅ローンかを計算すると約4900万円です、ということは支払いという意味ではお客様の目標は達成したことになります。
住宅ローンは金額が大きいので金利が下がると当然効果も大きいことになります。お客様はこの段階ですでに喜んでいました。
しかしもう1万円以上住宅機器の代わりに家計を削ることができればいいのではないでしょうか。、支払えるお金を増やす手段は簡単な方法は2つです。1つは保険の見直し、もう1つは確定拠出年金の導入です。
そうなのです。保険の見直しで保険料ダウン、確定拠出年金で所得税・住民税ダウンで支払えるお金を作ることにしたのです。
借入額が多く借りれる金融機関を使う
家計的には厳しくなりますが値上げと金利の上昇は満足なマイホーム購入を妨げる可能性があります。そこで多くの金額を借りれる金融機関を選ぶという選択もあります。
多くの金額を借りれるということは金利は金利でも審査金利が低い金融機関を選ぶということになります。そうすれば多くの金額を借りることが可能になります。
また支払い回数を40年にするのも月の支払額軽減につながります。ただしこれは年齢次第のところもありますので慎重な検討が必要になります
ほとんど削ることなく目標達成
1つだけ言っておきます。この例は熊本だからできたことです。熊本は住宅ローン金利が高いから簡単にできたので東京などではこの方法は取れないと思います。
ただし保険の見直しと確定拠出年金は全国共通なのでできます。この2つで月1万円以上の余力を作りました。
結果的に住宅ローン金額は5300万円で月に137744円で住宅ローンを申し込むことにしました。月に支払額は月12000円のダウンですが家計は相談前より保険見直しと確定拠出年金の導入で格段に楽なはずです。
住宅機器を削るのも1つの手だと思います。しかしあとで『あの時、削らなければよかった』なんて後悔はしたくないとと思いませんか?今回はそんなご依頼でしたのでこのプランを考えました。
あなたは予算オーバーした時どうしますか?夢を削りますか?それとも住宅ローン金利を削りますか?お困りの方はご相談ください。
永野FPオフィス 通話無料 0120−929−943 担当FP 永野 修