住宅ローン選びは審査で決まる
最近金利上昇局面のたびに変動金利は危ない、固定金利にずるべきだみたいな論調が増え始めている。今に始まった事ではないこの話だがこの話は本当だろうか。
当オフィスは熊本で注文住宅の住宅ローン専門のFPオフィスですお客様も公務員が8割程度、後を医師と看護師となっています。
変動金利と固定金利の割合はというと95対5で圧倒的に変動金利を利用するお客様が多いです。変動金利の構成を見てもそのうちの2割がネット銀行となっています。
当オフィスが考える住宅ローンの選び方には順序があります。その最初に来るものは『審査が通る住宅ローンを選ぶ』というものです。
お客様はマイホームを購入する手段として住宅ローンを利用するのですがそこで審査が通るかどうかわからない家が買えるかわからない住宅ローンの話をするなんで論外だという考え方です。
審査の話というのは表に出てくることではないのでわからないFPがいても不思議ではありません。私の場合はクレジット会社で17年間毎日個人信用情報CICを見て審査してきたからわかるのです。
審査がわからない人に住宅ローン相談してどうする?と思っている当オフィスで変動金利が多いのですがその中でフラット35をあえて使ったケースがあります。
今回のブログはなぜ金利が変動金利よりも高いフラット35を利用したのか、という話になります。
住宅ローンはお客様の事情に合わせてマッチング
もう少なくとも7年前の話です。今の状況との違いはまだ固定金利の金利が1%ちょっとだったということです。変動金利も0.6%程度でした。
お客様は女性のシングルの方で都心のマンションを購入したいという相談でした。その年に相続があり決して少なくない金額をもらっていて株式投資も始めたいということでした。
相談はどちらかというと投資の方に重点が置かれておりまずはマンション購入が終わったら投資の相談の予定でした。
都心のマンションは決して安くないのですがその女性も年収は1000万円を下らない方でしたので現金をできる投資へとのことだったのでフラット35を利用するということで進んでました。
住宅ローンの仮審査をしたとのことで結果を待っていると出てきた回答は1000万円以上の現金を入れることとのことでした。つまり満額回答ではなかったということです。
『おかしいな?』と思って詳しく話を聞いてみると当初フラットでと言っていたのですが不動産屋さんから『日本は金利が上がりようがないから変動金利の方がいい』と言われてネット銀行で申込みをしたようです。
『余計なことを』と思ったのですがもうここからフラット35に申し込みをしても時間的に間に合わないので当初投資へと回す予定だった資金を頭金として使うことになりました。
不動産屋さんに『なんでフラットでと言っているのに変動金利にしているんですか』と言っては見たもののバツが悪いためか現金あるんだから大丈夫などと言い訳してました。
結果的に希望のマンションは無事に買うことができたのですが株式投資をしたいという話は資金が減ってしまったので無くなってしまいました。もしやっていれば今は、、、と言ったところでどうしようもないです。
さてこの話、なぜ私は金利が高いにもかかわらずフラット35を提案したのでしょうか。ここが審査が通るものを選ぶという基本的なことなのです。
住宅ローンの審査金利で借入限度額が変わる
当オフィスで変動金利が多い理由は固定金利との金利差による月の支払額の差になります。今(令和5年11月現在)なら月に2万円以上違います。
固定金利に魅力を感じながらもやはり月に2万円以上の違いとなるとやはり二の足を踏んでしまうお客様が多いのが現実です。
当時でも変動金利より固定金利(フラット35)の方が金利が高く月の金額が安くなったのですが同じ金利でも金融機関が住宅ローン審査をする際に利用する審査金利は大幅に固定金利の方が低かった。
審査金利が低いと何が違うのかというと借入限度額が変わるので投資がしたいというお客様の希望を叶えるために満額借りられるフラットを提案したのです。
それをお客様の事情なんて関係ない話で変動金利を勧めたので返済比率オーバーという審査結果でお客様は激しく後悔することになったのです。
住宅ローンは審査が通るものを選ぶという意味がわかっていただけたのではないでしょうか。
住宅ローン選択は審査が通る金融機関を選んでください。もし自分にあった住宅ローンの選び方がわからないのであればご相談ください。
永野FPオフィスの住宅ローン相談
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担当FP 永野 修