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【親の土地に建てる方へ】家と引き換えに親の介護をする覚悟はありますか

親の土地に2世帯住宅を建てる落とし穴とは

親の土地にマイホーム建てる

最近、夫もしくは妻の親が持っている土地に建物を建てるという相談が増えています。これはある意味お互いに理(利?)にかなっているといえます。

親から見たらもし身体が衰えたり健康状態に問題が出たら子に面倒をみてもらいたいと思っています。時が来て、もしそうなったら頼りたいのはやはり子どもですよね。

ですが子供からみたらどうでしょうか?介護などいつのことやら、事を深刻に考えることなくただ土地代が浮いたくらいにしか考えていないように見えます。そうではありませんか?

そもそもさまざまな失敗や間違いはそんな甘い考え方だったり根拠のない楽観論から始ま流のが常です。相談でもよく話すことです。

実際に親の土地に家を建てて本気で悩む人がいます。それは自分の親からこんなことを真顔で言われて『困った!』と考え込んたからです。

『子どもが親の面倒を見るのは当たり前でしょう』

実は当オフィスでも親の土地に家を建てたばっかりに本当にこんなことを言われた息子やその奥様からの相談が意外と多くあるのです。

そうなると始まるのがいわゆる嫁姑問題です。親の土地に家を建てるという事はこういう問題が現実にあるという事、そして子ども夫婦にその覚悟があるかが大事になってきます。

親の土地に家を建てる時の嫁姑問題

次に問題になるのはなんでしょうか。今日はその問題の解決に悩む山形さん(仮名)の話をします。

土地の名義はどうする

親の土地に2世帯住宅を建てることになった山形さんは40歳の公務員で妻とお子様が2人います。そして山形さんには県外に嫁いでいる妹が1人います。県外なのでほとんど実家には帰ってきません。

親は妹は嫁いでいるので山形さん夫妻に実家でいっしょに住んでもらいたいという希望がありましたが強制できないとも思っていたようでそれらしいことはいえどはっきり口に出すことはありませんでした。

ですが実家に帰って一緒に住むというと物凄く喜んでくれたようです。親の機嫌のよさがなによりもその気持ちを物語っています。その状況で住宅ローンの件でご相談にみえられたのです。

公務員であり頭金も大丈夫だし住宅ローンの支払いも親も協力してくれるということになりいっけん問題はなさそうです。この話を県外に住む妹に連絡したところ妹も喜んでくれました。しかし妹は意外なことを口にしました。

わたしの取り分は?

山形さんはすっかり忘れていました。この妹が実はお金に対する執着心が強いことを。子どものころからそんな妹に嫌悪感すら持ったことがあったのですが、まさか親の面倒をみると言ったときにまでいうとは思いませんでした。

妹の方からお父さんにもしものことがあったら私の取り分はなくなっちゃうの?それじゃ私の分は先に現金で頂戴という請求が来ました。

親は当然『おれは生きているぞ』と怒っていましたが山形さんは頭を抱えてしまいました。これではもめてしまうと考えましたし親も折角山形さんが念願の同居を決めてくれたのにとがっかりしていました。

ですが妹はそんなことはお構いなしです。子どもの権利は兄と同じと言って譲りません。さてあなたはこういわれたらどうしますか?

相続時精算課税はどうだ

方法はいくつかあります。例えば相続時精算課税を使う方法です。この方法は親の生前に2500万円までは贈与税が非課税で贈与できます。名義も山形さんに変えることができるので一見問題がなさそうです。

相続時精算課税の利点は
1、生前に名義が変えられること
2、2500万円までは贈与時非課税であること
3、親の望みどおりに山形さんに土地を渡せること

では欠点はなんでしょうか。それは何と言っても遺留分です。相続時精算課税での遺留分は知った時から1年、相続の時から10年ではないようです。つまり遺留分減殺請求ができてしまうのです。

その時妹の取り分は通常は1/4ですが遺留分は1/8となりますが、その1/8分の資産・現金を請求される可能性があります。

言状を書いてもらうことも考えましたがそれも同じでお金にうるさい妹が騒がないわけがなくやめました。いろいろ検討した結果生命保険を使うことにしました。

保険金で準備する

山形さんから相談を受け3つの方法の利点、欠点をお客様に説明しました。3つの方法とはこれです。

1、相続時精算課税を使う
2、遺言状を書いておくこと
3、遺留分を生命保険で準備すること

その結果山形さんとその親は生命保険を使って1/8分の資金を用意することにしました。問題はどちらの方法をとるかの話でした。

1、相続時精算課税を使う
2、現状のまま土地は親の名義にしておき遺言状を書く

ここで山形さんに税務署に行ってもらいました。この2つでなにが違うのかというと『不動産取得税』です。相続時精算課税では不動産取得税がかかりますが、相続での遺言ではかかりません。

こういった問題を解決する上で税金、特に贈与や相続の知識は欠かすことが出来ませんし総合的な能力が要求されます。税務署の個別相談などを使いながら考える必要があるので相談する人を選ぶことも大切になってきます

これから親の土地に家を建てる話がたくさん出てきそうです。その背景は夫の実家、妻の実家で自分達も家を持てば一家で3つの家があることになります。非効率ですよね。

何をするにしても利点と欠点は存在しますので決断する前にご相談してほしいです。

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