雲行きが怪しくなってきた2世帯住宅建築
当オフィスのマイホーム相談は住宅ローンだけでなくライフプラン作成から住宅ローン手続きなどを経て引き渡しまでお手伝いするのが特徴です。
お客様のよっては最初の計画の段階から相談される方もいますし、家が決まってから住宅ローンの選択の時から相談される方もいます。
最初から相談していただけると様々な注意点をお話しすることができるのですが全てのお客様がそうとは行かないのです。
中でもよくあるのが住宅ローンの相談に見えたのですが時を経て話がうまく行かなくなるお客様もいます。例えばハウスメーカーと揉めたりした場合などがそうです。
そういえば以前奥様の実家が所有している土地に公務員の夫が妻の親と一緒に住むための2世帯住宅を建てるというので相談に見えた夫婦がいました。
住宅ローンの相談だったので源泉徴収票や土地の用途地域などを聞きながらネット銀行でもいけますなどと話をしていたのでした。
しかし次に見えた時は話が変わっていました。話をよく聞くと『親と住むのはできなくなった』というのです。なぜこの夫婦は妻の親との2世帯住宅が建てられなくなったのでしょうか。
人間は感情で動く
お客様が2世帯住宅を妻の実家の土地に建てるというのはよくある話で実は私自体もそうなのですが必ず聞くようにしていることがあります。
それは何か?
夫のこう聞いています。『実家の両親に話は通していますか?』するとよく旦那さまは『うちの実家は大丈夫』などと言いますがこの『大丈夫』には2通りあります。
1つはあらかじめちゃんと話をしていて許可をもらっている場合。もう1つは、こちらの方が多いのですがなんの根拠もなく話してしていなくてただ単に大丈夫に違いないと軽く考えている場合です。
ここに2世帯住宅で失敗するときの落とし穴が潜んでいるのです。いざ話が進んで奥様の方から『旦那さまの実家からお金はもらえないの?』と贈与の話をしてくるときがあります。
よく考えれば夫が妻の両親と住むのになんで夫の両親がお金を出さないといけないんだ、と言われればその通りなのですが妻は悪気もなく言ってくることがあります。
深く考えてない夫がその話を自分の両親にした時に問題が発生します。
『なんで自分の実家があるのに妻の実家に家を建てないといけないんだ。なんで自分たちでなく妻の両親と一緒に住むことになるんだ』という話になるのです。
つまり夫の両親の逆鱗に触れるのです。そして贈与どころか2世帯住宅の建築すら頓挫してしまうことが結構あるのです。
要するに気配りができなかった為に起こった失敗かもしれないのです。
お金より大事なものを理解する
実際に2世帯住宅の相談があった時はどんな家にするかより気配りの方に重点を置いて相談にお答えしています。『どのタイミングで夫の実家に話をしに行くのか』です。
お金や家に目が向きがちですが人間関係の方が長い人生に置いてはとても重要なのです。実際にこの話がうまく行かなかったご夫婦は2世帯住宅が頓挫しただけでなく夫の実家とも関係が悪化してしまったのです。
これも全て気配りや心配りといった人間関係の基本をおざなりに下から起こった問題です。
2世帯住宅を建てることが決まったら夫婦揃って夫の実家にいき、妻が夫の親に一言『よろしくお願いします。夫の家もこれまで以上に大事にします』といっていれば結果は違うものです。
こういった話を通して初めて楽しく住宅の建築設計の話ができるわけです。
コストも大きい2世帯住宅
2世帯住宅は住む人が多ければ多いほどコストが大きくなりがちです。誰がそう資金を負担するのかも重要なプランの1つです。
奥様の実家なのに全て夫負担なら夫の両親もさぞかし面白くないことでしょう。そんな簡単なことを理解できないようではうまく行く話も潰れてしまいます。
特に大手ハウスメーカーで建てようとするなら金額も相当な額になるので家計のことも十分考える必要があります。せめてライフプランくらい作成して置きたいところです。
仕事もマイホームも段取りで全てが決まります。みんなが買っているから大丈夫なんてのは甘い考えです。もし2世帯住宅を考えている方はこのようなことにも注意してみてください。
家が立派なら立派なほど夫の両親は面白くないものです。そんな気持ちをどうか理解してあげてください。
マイホーム相談 通話無料 0120−929−943 担当FP 永野 修