金利上昇中の固定金利
今年に入って住宅ローン金利に異変が生じている。何が異変なのかというとネットや雑誌では変動金利で住宅ローンを組んでいる方は将来危険だから固定金利に借り換えた方がいいというのだ。
ではどのくらい固定金利が上昇しているのかと言えば熊本銀行のHPで固定金利の金利を見てみると確かに1.25%だったのが1.8%と上昇しています。これは小さくない上昇です。
固定金利と比較して変動金利はどうかというと実は全く変動なしの0.725%です。他の銀行に目を転じれば変動金利は金利競争が盛んでむしろ下がっているというのが現状です。
上昇する固定金利と変わらない変動金利。金利差がはますます開くばかりで仮に変動金利で0.725%だったとすると1.8%ならその差は約2.5倍です。
変動金利が金利上昇してこの差を縮め、さらに追いついて逆転するなんてことが本当に起こるのでしょうか。少しは金利上昇があってもおかしくはないとは思います。
仮に固定金利に借り換えるのであれば月の支払い金額はどのくらい上がるのでしょうか。少なくとも残高によって違うとは思いますが1万円程度は変わるのではないか。
この1万円をどう考えるかで決まるのではないか。
実際に借り換え希望の方と話をすると『怖いものは怖い』なのです。それは理論とはまた別の気持ちの問題なので仕方がないと得ます。では熊本で実際に借り換えるときの注意事項はなんでしょか。
借り換えのルール通りにする
変動金利から固定金利にする場合でも変動から変動と同じように借り換えには手順がありこのルール通りにやっていきます。
1、新しい銀行に仮審査ー本審査 2、現在の銀行に条件変更のお願い 3、現在の銀行の条件の確認 4、選択 5、実行
今回のお客様は変動金利0.725%で支払いをしている方です。金利が変わると思ったら怖くて仕方がないというので固定金利への借り換え希望です。
候補はいくつかあります。その筆頭はやはり全期間固定金利と言えばフラット35でしょう。令和4年11月現在1.54%で借り換えできます。
本来であればもう1つ考えたいところです。例えば3大疾病団信つきの固定金利で1.25%の熊本第一信用金庫などはどうでしょうか。
ここで注意事項が1つあります。がん団信や3大疾病の団信などは多くは51歳未満という条件がついています。ここは気をつけたいところです。
ということで今回はフラット35の一般団信でも仮審査ー本審査となりました。審査は無事に通りました。次は現在の銀行での条件変更の依頼です。
条件変更の条件は良くないが
変動金利0.725%から固定金利への条件変更ですがここでのメリットはローン手数料と登記費用が不要だということです。これは60万円くらい助かります。
そしてもう1つメリットがあります。それは現在のガン団信をそのまま引き継げるということでした。この2つは非常にポイントが高いです。50歳を超えるとがんリスクが急激に高まるからです。
問題もありました。それは金利です。提示金利は全期間固定では2.1%でした。これはフラットより高いです。通常であればシミュレーションして決めるところです。
しかし今回も感情で考えるので全く進まなくなってしまいました。いわゆるどうしたらいいかわからないということです。
手数料・登記費用不要でがん団信ありだが2.1%か、一般団信になり手数料も登記費用も発生しても大丈夫か、です。
月の支払額も仮に残金が2500万円で30年とすると2.1%だと月112392円、1.54%のフラットだと104112円でその差は月8280円です。その代わり手数料と登記費用は手出しとなります。
団信をどうするかが決める鍵にになりそうです。結局は元の変動金利よりも15000円も上がるのは辛いということでフラット35で借り換えとなりました。
もう少し金利が下がってからで充分ではないかと言ったのですが『怖いものは怖い』のです。決めるのはお客様なのでこれもまた決断と言ったところでしょうか。
*金利などは数値を変えています。実際はもっと綿密にシミュレーションして銀行を決めました。
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