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会社のことなんてわからないんだけど!
人の命だけはわからない。これはこのFPという仕事をしていての率直な感想です。きっと私だけではないはずです。そのために生命保険に入っているという人も多いことでしょう
しかし社長である夫に任せていてどんな保険にいくらくらい入っているかを知らない妻も多いはずです。今回立て続けに1人社長の死後の後処理を依頼された
ただでさえ突然の死亡で妻は大パニック。葬儀のこと、会社のこと、保険のことなど何もわからなかった。まずは葬儀をひっそりと終わらせました
ふと家のポストを見るとハガキが届いていました。内容は支払いが滞っているという内容。会社の口座からも個人の口座からも引き落としができていないという通知でした。
え?どうなっているの?
家の中の旦那様の部屋を片付けている出てくる借入返済のお知らせの手紙。まさか、これが原因なの?ということで再度パニック。ここで遠い昔に家を購入するときに住宅ローンを担当した私に電話があります。
全体像を把握しないと
10年以上も前に住宅ローンの依頼を受けて審査を通してマイホームを購入したのでそのことだけはわかっていますが最近のことはさっぱりわかってなかった。
『こんなことになってたんだ』
様々な書類を見ながらマイホーム購入時を思い出していた。まずは全体像の把握からスタートしていきました。待ったなしで支払いが来るので生命保険の証券と督促状を見せてもらいました。
まずは確認できるもので少額で支払い可能なものは払ってしまおうと思ってました。生命保険と借入金の把握からスタートしました。
保険はいくらでるのか?
解約されている!
なぜかここで1番重要な掛け捨て系の死亡保障は全て解約されていました。残されているのは積立型の外貨建て生命保険のみ。
『足らないじゃん』
しかし加入時と比べると為替が150円近辺と円安になっているおかげで円ベースでの保険金は当時の試算よりも増えていました。でも全然足りません
奥様に保険会社に電話していただき保険金の請求と消費者貸付(保険でお金を借りていないか)の確認をしてもらいました。こういう時はほぼ消費者貸付が入っています。
するとすぐに担当の保険屋さんから電話がありました。明日自宅に伺いますと。そして翌日に貸付金を引いた額が振り込まれていました。これは助かりました。
でも、余計なこともたくさん言って帰ったのでこのあとかなりまずい状況になりました。無能者の善意ほど余計なものはありません。
税金や社会保障費、消費税は?
こうして少しづつ処理をしていったのですが奥様には税務署、社会保険事務所などにも行ってもらいました。支払い金額の確認です。
この支払いを先に済ませたかったのです。特に社会保障費は『支払います』と言っているのに『差し押さえ』をほのめかす始末。支払うって言っているのに
その結果、一般人が普通の生活では言われることがない『差押』という言葉に恐怖を感じてその後数日寝れなかったようです。
こうして色々ありながらも公的関係の金額の把握もできました。
次々出てくる借入金など
1つ判明すれば2つ出てくる感じで次々と出てくる支払いにさすがに私ですら眩暈がしてきましたが奥様はもっとです。悲しみに暮れている暇がないくらいです
入ってくる保険金と支払わなければならないお金を差し引きすると足りない金額が1400万円です。どうするか?もう答えは決まっているのですが。
全部支払い終えて
依頼から半年かかりましたが全てが終わりました。この仕事で備えるべきことがわかったような気がします。足りないと思っていた金額は実際には半分の700万円でした。
700万円減った理由は何か?それは団体信用保険です。家のではありません。家は最初から計算済みでした。答えは会社の借入金に団体信用保険が付いていました。
免責期間も過ぎているので無事に法人借入は支払う必要がなくなりました。これは助かりました。住宅ローンもです。会社の借り入れには団信は必須です。
法人の生命保険は解約されていましたが団体信用保険はそのままですからね。これからこういう依頼が増えるんだろうな
と思っていたらすぐにもう1件きました。知人の紹介で『頼む』と。
当社でできることとは
1人社長なので売り上げや規模が限られているのでお役に立てました。実際にはこちらはシナリオを立てて奥様に実行してもらう形です。
説明しても『何がなんだかわからない』とパニックを通り越してキャパオーバーになってましたので紙に書いて残すようにしました。
生命保険、損害保険、法人の借入金、税金・社会保障費の支払いなどトータルで経験が求められる奥様が1人ではできないはずです。
遠方でしたので全て電話でのやり取りでしたが全てを終えると『長かった』としか感想がないです。終わってから遺影に手を合わせて『大変だったんだろうな』と。
相談できる人はいなかったのだろうか、相談されて力になれただろうか。でもあとの始末は全てしましたので勘弁してほしい。
ご冥福を祈ります
奥様は今頃になって
怒涛の半年でしたので悲しみに暮れる暇もなかったのですが奥様はいまだにこの半年間、なぜこんなことになったのかと思い悩んでいました。
あとは時の薬しか効かないのでなるべきそっとしておくのが1番ですがいまだに電話がかかってきます。『不安は人と話すことだけが解消できること』とのことです。
ようやく笑い声が出てきたのでこれからの人生、よりよく過ごしていただきたいと思っています。
永野FPオフィスの住宅ローン相談
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永野FPオフィス 永野 修『審査の通らない住宅ローンに価値はない』
クレジット会社で17年間毎日CICを見てきたのでどうしたら審査が通るのかがわかるという職業病を武器に他社ではできない住宅ローン選びをメインとしています。ローン業界に30年以上の豊富な経験と年間100件以上のマイホーム購入のお手伝いをしています。お客様の80%は公務員であとの20%は医師と看護師になっています