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減額承認=審査否決ではないが「ショックを受けた」方へ
マイホームの見積もりが出て仮審査をした結果、満額承認とならずに減額で承認と言われてお困りの方から相談されることがあります。なぜ?と疑問ですよね。
「希望額に足りない」
「予定が狂った」
「なんで満額通らないの?」
確かに審査落ちではないのですが、やはり満額ではないので不満ですよね。減額では満足度の高いマイホーム購入はできずに将来あの時・・という思い出が残ってしまいます。
実は住宅ローンの審査の専門家として絶対にやってはいけないのが減額承認です。なぜなら電卓1つで防げるからです。ちなみに私は1度も経験したことがないです。
それでは減額承認にならない方法と『減額』から『満額承認』に変えるにはどうしたらいいのでしょうか。今回は専門家が考える3つ戦略をご紹介します。どれも簡単なものなので参考にしてください。
減額承認の多くはただのミス
なぜ『減額承認』になるのか
減額承認となるとセールスから『別の銀行に審査をかけてみましょう』と言われます。こう言われたら絶対にストップしてください。
まずすべきことは『原因』の把握です。確証もないのに銀行をたらい回しにされないように気をつけましょう。
少なくとも審査は否決にはなっていないので異動情報などがあるわけではなく個人信用情報以外に原因があるはずですそれは確認していきましょう。
3つ原因
減額承認になる原因はなんでしょうか?主に3つあります。
1、返済比率オーバー
2、担保評価不足
3、銀行の審査基準の問題
大きな原因はこれだ!
実は減額承認の理由のその大半が『返済比率オーバー』によるものです。今回はここを中心にお話ししていきます。
- ローン金額のオーバー
→ 年収に対して希望借入額が大きすぎるケース - CICやJICCを起因とする
→ リボ払いや自動車ローンなど月の支払いが大きい - 勤務年数・職種・雇用形態の評価
→ 転職直後、パート・派遣などでの減点評価
収入が基本的に不足している場合は収入合算や親子リレーローンで対策してください。
要するに返済比率の改善が結論となりますので、その改善で満額承認へと近づいていきます。ではその方法をお話ししていきます。
準備とは
最初にして欲しいことは『返済比率の計算』です。返済比率とは収入と今回の支出の割合といえばわかるのでしょうか。多くの銀行は収入の35%(年収400万円未満は30%)となっています。スマホがあれば計算できます。
計算式 年収×35%÷12ヶ月で計算してみてください。
450万円×35%÷12ヶ月=13万円・・・1
月13万円は審査金利を2%とすると3200万円・・・2
1>2ならOKとなります。1<2なら限度額pオーバーです。
仮に自動車ローンが月に2万円あるとすると
1の13万円ー2万円=11万円・・・3
月11万円なら2700万円・・・4
3>4となるように計算します。2と4はスマホなどで住宅ローンの返済額のアプリで計算してください。年収450万円で審査金利が2%だと3200万円までが上限、自動車ローンが月に2万円あるならそれを差し引いて月11万円となりますので限度額は2700万円となります。
もしこれがわからないときはこの時点で公式LINEからご相談ください。簡易的にですが計算します。
減額承認ということは
まず減額承認になった時に知っておいて欲しいのはこの3つです。つまりがっかりする必要はないということです。審査を満額通すにはと気を取り直して欲しいです
1、信用情報には問題がない 2、返済比率の問題 3、改善できれば他の銀行で通る
減額から満額への戦略は3つ
結局のところ返済比率オーバーの改善がその答えなので、その改善方法を取ることで満額承認になっていきます。ここからはその方法を解説していきます。
具体的な対策
まずは返済比率のどこなら改善できるのかを把握します。その要素は3つなのでそこの改善ができれば満額承認の道が切り開けます。
原因その1
勤務に関することです
勤務に関することとは勤務年数や勤務形態のことです。勤務年数は多くの銀行は1年以上が規定となっています。例外的に医師や公務員などはそれ以下でも通ることがあります。
勤務形態ですが正社員なら問題ないのですが派遣社員や契約社員などの場合は年収を70%程度や50%しか見ない銀行や全く入れない銀行まであります。
その場合は100%で見てくれる金融機関を探すことになります。またパート社員の場合、連帯債務ではなく連帯保証人でなら100%入れることが可能という銀行もあります。
自分の状況にあった銀行で審査することによって満額になるときがあります。
原因その2
金融機関の審査金利のことです
正社員ということを前提に話せば審査金利が高い金融機関だった可能性があります。審査金利とはお客様に適用される金利とは違って金融機関が審査の時に使う金利のことです。
上記で返済比率の計算式で2では2%になっていますが金融機関によっては3%とか3.5%とかになっていることがあります。
これを例えば1.6%とか1%に下げたら住宅ローンの限度額は変わります。例えば1.6%の場合は返済比率計算2では3200万円が上限でしたが1.6%では3500万円となります。
*つまり審査金利の低い銀行で仮審査すればいいということです
審査金利が低い金利機関を変えただけで300万も上がりました。満額に足りていればただの金融機関の選択ミスということです。
お客様の年収や今回の物件、その他の借入をもとにスマホ1つで計算できる簡単なものだったわけです。
この方法での最大の注意は、住宅ローンの審査が通らない金融機関で審査はしないことです。審査が通らないというのはショックが大きいものです。それを2回3回と繰り返すのはやめましょう
1、住宅ローン審査が通る金融機関
2、返済比率が合う金融機関
この2つを考えて選びましょう
原因その3
現在の借入の月の支払いが多い
2と同じく返済比率計算で年収400万円以上は35%で計算することと書きましたが金融機関によっては35%ではないところもあります。
またその他の借入がある場合月の金額が大きいと限度額が少なくなります。もしその他のローンの月の支払額が多ければ圧縮する策を取るのも1つの対策です。
リボ払いや月払いのクレジットをもし全部一括できれば、もしくは一部でも一括できれば返済比率は大きく改善します。
原因その3 の改善は可能か
もう1つの対策は現金による返済比率オーバーからの改善です。もし現金を入れることができたら1番簡単です。いくらの現金が必要なのかを算出しておきます
では具体的にどうすれば現金を準備できるのかですがここでやってはいけないことは『金融機関からの借入』で現金を作ることです。これだと何の解決にもなりません。
現金でどこを改善するのか。この2つです
1、ローン金額
2、借入があれば一括
では現金の手持ちがあればいいのですがない場合はやはり有効なのは贈与になります。贈与も3通りがありますので、状況に応じて利用してください
その3の改善方法とは
贈与での現金
1番いいのが親や祖父母などからの贈与です。しかし親や祖父母にお願いするのですがYESといってもらえばいいのですがNOと言われたらそれまでです。
贈与にも3つ方法があります。
1、暦年贈与
2、相続時清算課税制度
3、住宅贈与
望むべきは住宅贈与にて贈与してもらうのがいいのですが家の構造次第ということもありますのでその際は2の相続時清算課税制度で2500万円まで贈与税なしなので利用するといいでしょう。
その代わりにデメリットもあります。それは小規模宅地の特例が使えないということです。この制度は相続の時に被相続人が居住していた宅地でれば330平米まで80%減額して評価されるというものです。
*絶対にやってはいけないのが『借入』で賄うことです
それぞれの制度の正確な知識やメリット・デメリットを考慮に入れて利用してください。
あと2つの原因の改善
1、返済比率オーバー
2、土地の担保評価不足
3、金融機関の審査の問題
減額承認が起こる原因はこの3つと最初に言いましたが、返済比率オーバー以外の3つは審査をする金融機関を変更することでOKです。
2の土地の担保不足とは、都市計画図で市街化調整区域や非線引き区域などの地域でマイホームを建築しようとするときに起こります。特に親の土地に家を建てる方は注意してください。
詳細はこちらを参照にしてください。
もう1つの金融機関の審査の問題ですが、こればかりは審査が通らない金融機関で審査したのが水と言えますのでそもそもの問題です。
マイホームはどんなに金利が低くても、どんなに団信がよくても審査が通らなければ家は買えません。審査を軽視した結果と言えます。
住宅ローン選びとはマッチング作業
住宅ローン選びとは簡単にいうとお客様の事情と金融機関の審査基準とのマッチング作業なわけでそのマッチングがうまくいかなかったということです。
減額承認だったということは金融機関の審査基準を知らなかったから起こったという可能性が高いです。当オフィスではマッチングができるので減額承認なんて起こらないわけです。起きてはいけないのです。
お客様は自分の事情(収入・その他のローン・物件価格)を把握して、金融機関の審査基準は電話などで確認すればこの問題は起こりません。
FPからのアドバイス 減額承認はミスから生まれる
結論から言えば『減額承認』は住宅ローンにおける知識不足と銀行選択ミスから発生するものです。その種となるものは『返済比率』になります。
収入がそもそも不足している場合は収入合算や親子リレーローンしかないです。それ以外のことは異動情報などさえなければ克服可能で満額借り入れる可能性は大いにあります。
1、返済比率の計算
2、改善方法を探す
3、実行する
この3つをすればいいわけです。
減額承認は審査落ちとは違います。まだうつ手がいくつもあります。冷静になってまずは原因の把握に努めてください。
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永野FPオフィス 永野 修
『審査の通らない住宅ローンに価値はない』
クレジット会社で17年間毎日CICを見てきたのでどうしたら審査が通るのかがわかるという職業病を武器に他社ではできない住宅ローン選びをメインとしています。ローン業界に30年以上の豊富な経験と年間100件以上のマイホーム購入のお手伝いをしています。お客様の80%は公務員であとの20%は医師と看護師になっています