ガン団信を使って初めて思うこと
当オフィスは注文住宅専門のFPオフィスでネット銀行利用から通らない住宅ローンを通すことや離婚での借り換えなど難度の高い住宅ローンを取り扱っています。
今回はお客様からよく出る質問の1つ、ガン団信100%は本当に必要なのかについて実際に利用した際の遺族の感想を含めて参考にして欲しくブログにします。
当初の相談内容は『お客様に販売する予定で建売を建てたがあまりにも出来がいいので自分が住みたいのだが住宅ローンは組めるのか』という相談でした。
大丈夫、ということで仮審査を通し本審査の時に死亡の団信だけでいいと言っていたが自営業者なので3大疾病の団信をつけた方がいいということでつけてもらったものです。
あれから12年。突然電話が入りました。『ガンになった』自営業者の方は私も含めて仕事に集中している方が多く健康より仕事という感じでしたので症状はあったのですが我慢していたようです。
そしてついに我慢できずに『おかしい』と思って近所の病院に行ったらすぐに大きな病院で再検査、MRIをとった結果末期がんと診断を受けた次第です。
『おれ、ガン団信つけてないよね?』というお客様。どうも当時のやりとりを忘れていたようで大丈夫、つけたはず。と言ったが念の為銀行に確認するとしっかりとついていました。
上乗せ金利分は月いくらか
当時の3大疾病は上乗せ金利が0.25%でした。金利が上がるのを嫌がってましたがが月に+4600円で自営業者が最悪の仕事ができない時に住宅ローンの支払いがなくなるなら安いはず。
『ガンなんかにならから大丈夫だよ』そんなことを言ってましたが最終的にはつけてくれました。自営業者が月4600円をセコるな。と言った記憶があります。
末期がんの連絡を受けて奥様に銀行に電話を入れてもらい団信の手続きを進めてもらいました。しかし団信申請の連絡をしてもすぐに住宅ローンの支払いがなくなる訳ではありません。
まずは病院に診断書を依頼しましたが2週間かかると言われました。2週間後に病院にいき診断書をもらってそのまま銀行に持っていきました。これですぐに適用になるかというとそうではないです。
ここから団信適用に審査が入ります。銀行よりしばらく時間がかかると言われましたので私たちは団信適用の結果を待っていましたが。
しかし不幸なことにお客様の容態が急変して死亡。残念ながら間に合いませんでした。その間に余命6ヶ月以内だったためリビング・ニーズも申請しました。
ガンはタイミングを選んでくれない
自営業者は仕事ができなくなると売り上げ=収入がストップします。しかし月々の返済はストップしません。これが地獄のように苦しい。
しかも1年前に事業資金を借りたばかりでその支払いもあり手持ちの現金がつきそうな状況でした。これでまだがん保険の一時金などでもあればよかったのですがそれもなかった。
病院代含めて毎月の返済をするためには目先にお金が必要だったので団信の審査からしばらく経ってからリビングニーズ特約を生命保険会社に申請しました。
郵便ですぐに申請用紙を送っていただいたので病院へ診断書を依頼しましたがこれもがん団信の時と同じように間に合いませんでした。
ここから遺族の苦悩の日々が始まりました。何せ仕事のことが社長が1人でやっていたので誰もわからないのです。
収入から毎月の支出まで、どんな支払いがあるのかまでわからないのです。しかもお金が生命保険が少なくて支払いには足りないかもしれないという恐怖が。
それから1ヶ月後にがん団信が適用になり住宅ローンの支払いは終了。名義を奥様に変更したところで目処がつきました。悲しいことですが自宅を売却すれば全て清算できるという目処が。
事業借入に団信はついているのか
通常団信というと住宅ローンを思い浮かべる人が多いかと思いますが銀行で借りる事業用に借り入れにも団信をつけることが可能です。
『借りる時には団信つけてね』とは言っていましたが実際にどうしたかがわかりませんでした。奥様に確認をしてもらったところ全件ついているとのこと。
ただしあと少し、月に5000円程度でいいので生命保険に加入してくれてたら家を売却せずに済んだのですが今となってはもう遅い。
生命保険は全て外貨建て終身などなので保障額が少なく法人・個人含めて死後の整理をするには足りなかった。これで団信に加入してなかったら、、、。
がん団信は絶対に必要
ガン含めて3大疾病になった時にまず何を考えるかといえば『命の心配』です。これは本当に恐怖でしかないはずです。そんな時にお金の心配まで抱え込む気ですか
住宅ローンの35年は長いものです。その間に何か起こると考えた方がいい。ガンになった場合でも自分も家族も経済的に生き残るためにはガン団信は必要ではないか
そして自営業者はその他の借入にも団信をかけておく。その他の借金には掛け捨ての生命保険があれば今回は家を売らずに済んだのですが保険を軽視していたのでこんな結果になってしまった。
この経験を踏まえるとガン団信とその他の団信、掛け捨ての生命保険は必須ではないか。最悪の時のプランニングが必要なのではないか
今日もこんなことをお客様に説明しながらガン団信100%にしましょう。と言っています。でも選ぶのはお客様です。家族とよく相談して決めてください。
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担当FP 永野 修