情報とインテリジェンスの違い
早いもので熊本で地震が起こってから10か月が経ちました。あっという間に1年となるのでしょうね。地震によって自宅は損壊した人も数多いです。
そういう私も自宅も半壊の認定を受けており屋根はもうボロボロになっており部屋の天井も地震後の雨により穴が空いている状態。現在建て直しのための解体を待っているところです。
実際の相談業務では地震での建て直しするための住宅ローンというお客様はなぜでしょうか?あまりいません。
私のところに相談に来るお客様の多くは新たに住宅を購入する方であり公務員、上場企業社員、医師が多くなっています。
こういった知的能力が高い方は私のホームページをかなり読み込んでから連絡してくる傾向にあります。今回はそんな知的レベルが高い人でも勘違いしがちな情報とインテリジェンスの違いについて実例をもとに説明します。
住信SBIかイオン銀行でローンを組みたいというが
相談に来た方は公務員の夫婦です。土地を購入してすでに売買契約書に捺印済み。住宅の購入も決まりさあ、住宅ローンを選ぶということになりました。
ハウスメーカーから出てきた提案はもちろん10年固定0.9%。理由は変動金利だと0.95%なので10年固定の方が低いからというのが理由です。
お客様はこう思ったそうです。『本当にこんな提案するんだ』と。
私のHPで読んだ通りのことを言ってきたらしいです。そこで試しにこう言ってみたそうです。
『ネット銀行で0.5%があるのでそれを使いたいのですが』
するとこれまたハウスメーカーのセールスはこのHPそのままのセールストークを言ってきたようです。『こちらの銀行の方がスムーズにいきますよ』と。
計算するとネット銀行との差はざっと250万円程度あったのでネット銀行を使いたいということで私に相談があったのです。
お客様に『どこの銀行を使いたいのですか?』と聞くとHPのコピーを見せて『住信SBIネット銀行かイオン銀行を使いたい』ということでした。
私の答えは『使えません』という返事でした。
お客様は『?』です。ではなぜ私は即答で使えないと言ったのでしょうか。お客様は実は金利しか見ていないのです。
この表をお客様も見たようなのですが現在ではこのように銀行別の金利がすぐに分かる時代です。ここでは0.9%が安く見えないほど歴史的な低金利なのです。
こういった表を情報と言います。この金利は事実には違いないのですがあくまでも情報でありそれだけでは使い物にならないケースもあるのです。
ちなみにこの表通りに使えるのはマンションや建売の場合です。この表にある金利だけで判断しても問題はないのです。
ただ通常は金利だけで判断するのではなく団体信用保険なども加味して決めるのが住宅ローンの銀行選びの理想と言えます。
マンションや建売はいいのですが実は土地と建物を別々に購入する場合には少し注意が必要なのです。ではマンションとは何が違うのでしょうか
それこそがインテリジェンスにつながっていくのです。そう、つなぎ融資の有無が違うのです。
ネット銀行でも審査の基準が違う
今回のお客様の場合は土地と建物でつなぎ融資の利用が必要です。ハウスメーカーからもそれを指摘されているようです。この銀行だとつなぎ融資は必要ないからと。
ですがそれでも約200万円以上の違いは大きいのでネット銀行を使いたいと考えたのです。もしハウスメーカーのセールスがプロならお客様のためにネット銀行を使えるように協力することでしょう。
ですが熊本でそのようなセールスの話は聞いたことありません。ネット銀行なにそれ?めんどくさいし審査もどうなるかわからないので使いたくない。私はセールスにはっきりとそう言われたこともあります。残念ですがそんなものです。
しかし当オフィスでは積極的にネット銀行を使っています。もちろん全部ではありませんが第一候補は変動金利であれば必ず0.5%台の銀行を選びます。
では話を戻してなぜ住信SBIとイオン銀行は使えないと言ったのか。それは両行には(正確にはイオン銀行は熊本では)つなぎ融資の制度がないからです。ちなみに現在SBIはアプラスのブリッジローンを使って可能です。
現金で3000万円くらい持っているのであれば話は別です。制度がなければ使いたくても使えないのです。その旨お客様に説明し結局違うネット銀行で申し込みをし、審査も承認になったのでした。
ネットの情報を鵜呑みにするとこうなります。
もし自分でネット銀行を探すのであればHPに書いてあることを全て読むことをお勧めします。それが面倒であればご相談ください。
ここでの約200万円以上の違いは老後資金でツケを払うことになるのです。自分で住宅ローンを選ぶことの大切さ、情報でなくインテリジェンスを考えることの必要性を感じる出来事でした。
永野FPオフィス 通話無料 0120−929−943 担当 FP永野 修