いい家とは『家だけでなくお金も快適なこと』
お客様が欲しい家は100人いれば100通り存在する。だからこそ価値観が違う夫婦で希望の家が同じではなく喧嘩が起こるのも当然のことです。
今から6年前にある住宅展示場に仕事で行った時に見たのは、夫婦がなにやら険悪な雰囲気になっている姿でした。セールスはあとは任せると言わんばかりにその場を去っていき残されたのはその夫婦と私の3人。
どうしたのですか?ときく私に奥様がボソッと言いました。『旦那が家に対してそういう価値観だったと初めて知りました』
今までたくさんのお客様のマイホーム購入をお手伝いしてきましたが夫婦2人とも家に対して同じ価値観であることはまずなく、マイホームに対して双方にこだわりがあるとなかなかうまくいきません。
今まで見てきたシーンではどちらかといえば奥様が強い方がマイホーム購入だけでなく過程もうまく行ってるような気がします。
では奥様が主導で購入するマイホームとして夫はどうすればいいのでしょうか。
奥様がマイホームに夢を見る一方、旦那様は現実的で家計の心配をする場合が多いです。そんな旦那様のために今回は書きます。
私、FP永野がたくさんのお客様の中で『これはいい!』と思わず自分(私)の家の時に真似をした方法を今日はお伝えしてみます。
題して『いい家とは家も家計もしっかりデザインされている』です。
マイホームを購入しても老後資金は確保したい
このお客様、仮に佐藤様としておきましょう。結果的にいえばライフプランにて算出した予算以下の資金できっと多くのお客様はその家をみたら『何でその金額でできたの?』ということでしょう。
私は自分の家の時に『パクらせて』いただいたくらいの衝撃でした。
佐藤様はまず最初の相談の時に『絶対に教育資金と老後資金で困ることがないようにマイホーム購入資金の予算を出してほしい』ということでした。
つまりマイホーム資金の予算はかなりシビアな金額になります。お客様曰く限りある資金を最大限上手に使っていきていきたいということでした。
数度の打ち合わせの結果マイホームの予算の範囲が決まりました。仮に2500万から2700万円としましょう。土地は親所有の土地なので建物に全て使えるということでそれは有利に働きました。
さてここからです。まずはお客様自身の頭の中で『この金額でどこまでの家が買えるのか』と『どんな家(デザイン)がほしい』が明確でないのでそれをはっきりさせたいとのことでした。
1、老後資金を考えた予算作り 2、どんな家がほしいかの明確化 3、予算内で理想の家が建てられるハウスメーカー(工務店)探し
ということでここからハウスメーカーにいくわけですが他のお客様と違うのは予算の伝え方です。セールスの前で土地の字図を出して『予算は2500万円です。この金額以下でしか買いません。』と宣言しました。
セールスに考えさせようとしたが
この方法はいいと感じました。なぜならいつもお客様の予算よりかなりオーバーした見積もりをたくさん見ていたからです。セールスはお客様の予算に関する話なんて聞いちゃいません。多少オーバーしても買うことを知っているのです。
つまりあなたがマイホームのプロと思っているセールスは販売のプロなのです。そのセールスに予算内でどこまでできるかを脳みそに汗を書かせようと考えさせようとしたわけです。
他のお客様が下手なのはセールスが『知恵を出させる』代わりにお客様が『お金を出してしまう』ので高い買い物をしてしまうところです。成績がほしいなら真剣に考えてくれ!というわけです。
しかしここでハウスメーカーのセールスの反応はまちまちでした。と言うよりセールスはかなり面倒くさがりやが多かったです。
『できない』というセールスもいましたし、『わかりました』と言ったにも関わらずいつも通り出てきた金額は2500万円以上だった会社もありました。2500万円以上の見積もりがででた時はすぐに店舗から出ました。
ここでお客様はわかったそうです。
ハウスメーカーのセールスはダメだと。お客様の家計なんて二の次で自分たちが売りたい金額で売ることで頭がいっぱいだと判断したそうです。
そしてお客様から要望がきました。設計士を紹介してほしいと言われました。でもハウスメーカーに行って成果が全くなかったわけではありません。
自分たちがどんな家がほしいのかがわかったからです。そこでセールスのプロに見切りをつけて設計のプロに自分のほしい理想の家を予算内で建ててもらおう。と方向転換したのです。
こうして予算と自分のほしい家がわかりました。あとは『どこで建てるのか』を徹底的に考えることにになります。
長くなりましたでパート2に続きます。