住宅ローンも自分で調べる時代が来た!
マイホームを購入する上で欠かせないのが住宅ローンです。人生で1番の高額商品なので現金で購入する方はほとんどいなく当然のように住宅ローンを利用しています。
その住宅ローンですが誰がどの銀行を使うかを決めているのでしょうか。多くはハウスメーカーのセールスです。ですがこれがお客様にとって間違いの元かもしれません。
ハウスメーカーのセールスは残念ながら住宅ローンには詳しくないのです。『え?いろいろ教えてくれたよ』というかもしれませんがハウスメーカーのセールスが詳しいのは自社と提携している銀行の住宅ローンだけです。
そう、数多くある住宅ローンのうちのわずかなことなのです。それでは現在熊本で使える住宅ローンを金利の低い順に出すどうかを見てみましょう。
いかがでしょうか。あなたが説明された銀行の金利はいかがだったでしょうか。
もしあなたが金利を気にしないということであればなんの問題もありません。ハウスメーカーの提携ローンを使っていいでしょう。
ですが住宅ローンの金利による支払額の上下が教育資金や老後資金を含む人生とお金の関係に大きな影響があるというFP永野の意見に少しでも聞く耳を持っていただけるのであればこの先をお読みください。
住宅ローンはもはやセールスマンに聞くのではなく自分で調べる時代です。スマホを手に持って『住宅ローン 熊本』と検索すると0.625%以下の低金利のローンの存在を知ることができるのです。
さて今回の話は『変動金利より10年固定の方が安いので10年固定がいいですよ』ということをセールスから聞いたという話をお客様から聞きました。変動金利と10年固定の話をしたいと思います。
まずは結論から書きます。
『変動金利より10年固定の方を勧めるセールスの話に耳を傾けてはならない』
ではどういうことかを説明していきます。
変動金利と10年固定の違い
先日もハウスメーカーにお客様と一緒に行った時にこの話になりました。『変動金利で0.95%、10年固定で0.9%なので10年固定の方がお得です。』という話でした。
なんでもっと安い金利をお客様に案内しないんだ?『変動金利0.5%、10年固定が0.45%』の間違いではと言おうとしましたがやめました。なぜなら本質的な問題はそれではないからです。
実は10年固定と変動金利では根本的にお客様が背負うリスクが大きく違うのです。10年後にお客様の支払額が高くなる可能性があるのです。まずは変動金利と10年固定の違いから見ていきます。
変動金利は半年に1回金利見直しがありますが月の支払い額の変更は5年に1度しかありません。つまり10年間に1回だけ支払額の変更がありますが10年固定ではなしです。1回か0回かの違いです。
変動金利は10年後に2回目の、10年固定もここで金利の見直しとともに月の支払額が変更になりますが同じ10年後の変更でも変動と10年固定ではお客様の支払額に差が出ると言うリスクがあります。。
違うのは10年後にリスクですが大きく分けるとこの2つです。
1、125%ルール 2、優遇金利縮小による金利上昇リスク 3、支払額上昇
125%ルールとは
125%ルールとは何か。簡単に言えばどんなに金利が上昇したとしても125%まで、つまり月に10万円支払っていたとすれば12.5万円、そう、25000円までのアップしかしないということです。
確かに25000円のアップは家計にとって痛いでしょう。ですが破産するレベルでしょうか?これを持って変動金利は危険と言っているのです。
それに対して10年固定はこの125%ルールが存在しません。急激な金利上昇が怖いから10年固定にしたのに10年後は月にいくら支払うのか未確定なのです。理論的に言えば月の支払額のアップは25000円どころではない可能性だってあるのです。
このリスクをたった0.05%の金利差を持って決めようとしているのです。金額にして3500万円で月に800円で125%ルールを外してしまうのです。
でもこれは金利が上昇した時に起こるリスクです。では金利が上昇しなければ10年固定でも問題はないのかといえばそんなことはありません。
優遇金利の存在
そもそも住宅ローンの金利はどのような仕組みになっているのか。式にするとこんな感じになっています。
適用金利= 基準金利 − 優遇金利
例えばH29年7月現在の肥後銀行の基準金利はこうなっています。
まずは変動金利を見てみましょうHPにはこう書いてあります。『0.95% 基準金利から▲1.775%』
この変動金利のところにある2.775%のことを基準金利といい、▲1.775%のことを優遇金利というのですがもっとわかりやすく言えば基準金利とは元の値段、優遇金利とは『値引き』です。
つまり肥後銀行の変動金利の基準金利は2,725%で『0.95%=基準金利2.725%ー優遇金利1.775%』ということです。もし優遇金利が通期であればもし金利変動がなければ10年後も0.95%ということになります。
それでは次に10年固定はどうでしょうか。見てみましょう。
同じく肥後銀行のHPにはこう書いてあります。適用金利は1.1%です。『固定金利終了後はずっと基準金利から▲1%』です。わくわくクラブで100ポイント以上の方は3年間▲0.2%
今の基準金利 3.1%です。ということは当初の優遇金利は1.8%ということになります。基準金利3.1%ー(優遇金利1.8%+わくわくクラブ0.2%+α)
つまり10年後に金利が変わらない場合でも優遇金利が1.8%から10年後は1.0%を採用となることから金利が1%ほど上昇することになります。
10年後の金利2.1%『基準金利3.1%ー優遇金利1%=2.1%』
住宅ローンを借りた当初は0.05%の差でした。ですが10年後に金利水準が変わらなくても変動金利と10年固定では適用金利は2.1%ー0.95%で最大1.15%の差がつくことになります。
では現在10年固定の10年目が到来したお客様は2.1%になっているのでしょうか。そうです。なってません。1.1%程度のようです。なぜでしょうか。
金利が高いと借り換えられてしまうからです。頑張って交渉しますという話でした。確定した事実のみで動くのが金融の世界なので10年固定の良さを肥後銀行の行員は力説していましたが???でいっぱいでした。
いかがでしょうか。10年固定の方が安いと言うセールストークがどうなのかが理解できたかと思います。
それともう1つ住宅ローンを決めるときにあと1つ要素があります。それはお子様の教育資金と老後資金という論点です。
10年後に何が起こるのか
実は10年固定にはまだリスクはあるのです。それは論理的と感情的なことから論じてみたいと思います。それは10年後に何が起こるかを考えれ理解できます。
10年後に何が起こるのか。確定している事実があります。
1、住宅ローン控除がなくなる 2、お子様の教育資金が上がる 3、火災保険の満期 4、人によっては生命保険料が上がっている
これだけ家計の脅かす要素があるのに10年固定で住宅ローンの支払額まで上がったら家計はどうなるか考えたらわかりますよね
ですが10年後にこれらのことが上がるのは変動金利でも同じなのです。何が違うのか。いわゆる『茹でガエル』というやつです。
変動金利は5年に1回月の支払額の変更があるので1度上がっているので2回目となる10年後はいきなり上がるより緩やかです。一気に5万円上がるより2.5万円つづ上がる方が家計の対応はしやすいです。
茹でガエルの理論に例えれば沸騰するお湯にカエルを入れるとその熱さでお湯に入れた瞬間に飛び出しますが、ぬるま湯にカエルを入れて徐々に温度を上げていくと飛び出すことなく慣れていきます。
10年固定では一気に上がるのでショックが大きいのですが変動金利では慣れていくのです。家計も同じで10年前のレベルで家計を作っているので10年後一気に上がると家計がかなり苦しくなったと感じてしまうのです。
ですが10年固定を使ってもいい人がいるとも考えています。
それでも10年固定を使ってもいい人とは?
このようにリスクが変動金利より高いと思われる10年固定ですがお客様のライフプランを作成していると10年固定を使っても大丈夫と思われる方がいるのも事実です。
それは10年後に教育資金の支出が終わる方です。お子様が中学生の方が家を買うなら使ってもいいのではと思うのです。
教育資金が終わった後はいよいよ老後資金なのですが教育資金が終われば多少支払額が大きくなったとしても対応可能ではないでしょうか。年間200万円くらい変わると思われますからね
数字的に見れば10年固定も変動金利も同じ支払額が上がるリスクがあります。ですがこの10年後に起こる事に対応可能なのかどうか。その判断はこのように表を作ってから判断する必要があります。
このセールスはこのような表を作った上で10年固定を勧めたのでしょうか。お客様の話を聞く限りはそういう事はしていません。
そう、このセールスは自分たちに都合がいい住宅ローンを言ったに過ぎないのです。そもそも10年固定0.9%なんて高い金利を勧めている自体で住宅ローン相談はダメなんですけどね。
もしあなたがこのセールストークを信じて10年固定で住宅ローンを組んだ結果老後資金へ影響が出たとしてもその責任はあなたがとるのです。
そう考えると『誰を信じるか』で人生が変わると私がいう意味がわかっていただけると思うのですがいかがでしょうか?人間は誰と付き合うかでのみ人生が変わるのです。
通話無料 0120ー929−943 担当 FP永野 修