夫婦共有名義はお得か損か
ご相談を受けているときに言わないといけないことがいくつかあります。その1つが住宅を建てる時の不動産の夫婦共有名義に関してです。あなたは夫婦共有名義にどんなリスクがあるか知っていますか?
本日は5年前、結婚してすぐに住宅を購入した山本さん(仮名)のお話をいたします。山本さんは現在35歳で上場1部の会社に勤務、奥様は専業主婦で1歳と3歳のお子様がいます。
住宅を購入するときは共働きだったため不動産を共有名義にすれば住宅ローン控除がそれぞれ使えますので得ですと住宅展示場にいたFPに言われたため1/2づつ共有名義にしました。住宅ローンは金利上昇が怖いと思い10年固定にしました。
多くの方はこのように住宅ローン控除のことだけを考えて夫婦共有名義にしてしまうのですが本当にそれでいいのでしょうか?
借り換えができない?
住宅購入から5年後、ネットで検索しているときにフッとネット銀行の金利が目に入りました。金利が安いのに驚きました。自分たちの10年固定よりも1%近く金利が低く旦那様にうちも住宅ローンの借換えをしようかと相談してみました。
旦那様もあまりの金利の安さに驚きこれなら変動金利でもいいのではと考えたし、奥様は家計が楽になると思いネット銀行に申し込むことにしました。ここで問題が発生しました。
実は住宅ローンの借換えができなかったのです。
なぜだと思いますか?じつは住宅購入時は奥様は働いていたので共有名義にしたのですが、現在は主婦。収入がないということで借換えできなかったのです。
旦那様は仕方がないかと思いあきらめたのですが家計を預かる奥様は簡単には納得しませんでした。そこでわたしのオフィスに相談が来ました。実は多くの方が前出のFPと同じ話をマネー雑誌やテレビのお得な話などで聞いているので夫婦共有にする方が多いのです。
共有名義の件で多くの方が失敗したと感じるのは、主婦になったあとの借換え時と離婚のときです。、この山本さんの奥様も購入当初は共働きでもお子様が出来ると同時に勤務を退職し主婦となりました。
なにが失敗だったのか。それは後日おこるであろうことをまったく計算に入れていなかったのです。ご結婚されたらお子様が誕生し、奥様は専業主婦になる方が多いですよね。
本当は利点と欠点を知らなければならなかったのです。婚姻が20年以上であれば贈与税の配偶者控除を使って2110万円まで無税で贈与することが出来借換えもできます。
しかし今回の山本さんのように婚姻してまだ5年程度しか経ってない場合、どうしようもありません。わたしがしたアドバイスは現在住宅ローンをお世話になっている銀行に行き、『金利下げてください』ということでした。
結果、銀行が受けてくれて10年固定1,25%で見直されることになりました。それでも奥様はネット銀行の変動金利の低金利に未練があるようでした。
夫婦共有名義は先のことを考えるべき
冒頭で話したお話できなないこと。それが離婚のときの話なのですがおめでたいところで話すのは気が引けてしまいます。それはまた今度にしましょう。住宅を購入するときはしっかりした情報をもつようにしましょう。
金額が大きいがゆえにあとで後悔したくないでしょう。以前は住宅購入が決まって住宅ローンの相談が多かったのですが、最近は住宅購入を検討している段階でのご相談が多くなっています。
住宅メーカーや工務店、住宅ローン・銀行、火災保険や不動産登記のための司法書士の選定をお客様と一緒にしています。欲しいマイホームを安全でリーズナブルに購入したいようです。
弊社でもしっかりアドバイスしていきます。