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増えている実家の土地に建てるマイホーム
最近、土地を探すのが大変になったと言われるお客様がとても増えています。ちょっと気に入った土地だとすごく値段が高く、値段が安いと安いなりで校区が遠かったり旗地や狭かったりしているようです。
そんな時に実家から『空いている土地に家を建てれば』という話が。本当は自分たちで土地を買うのがいいが、いい土地がないし土地代がかからないのは助かるということで実家の土地に建てる方が多くなっています。
そのときの問題は何かというと『農地転用』が必要になることがあるということです。今回はこの農地転用してマイホームを建てる時の住宅ローン選びと手続き、注意事項のブログになります。
このブログを読むことで農地転用でのマイホーム購入に関してFPならではの注意点がわかりスムーズにマイホームを建てることができるようになります。
農地転用とは何か?
農地転用とは何かを簡単にいうと農地を農地以外、ここではマイホームを建てるためなので『宅地』に地目変更をすることです。農地転用が必要かどうかは土地の不動産謄本を確認すればわかります。
不動産謄本の地目に『田』や『畑』とあれば農地転用が必要です。そのほかに謄本では土地の広さや所有者などもチェックします。
農地転用はどの土地でもできるわけではありませんのでまずは農地転用が可能な土地なのかを確認します。ここでOKならば土地の調査に入っていきます。宅地に変更する許可(届出)をしてマイホームを建てることになります。
建物に間取りが決まって見積もりが出たら住宅ローンの仮審査をします。承認となったら承認書を取得してください。農地転用で必要になりますので忘れずに。そのほかに建物の図面も必要となります。
実家の土地を確認する
実家の土地にマイホームを建てようと思った時に最初にすることは土地の調査になります。土地の調査といってもFPやお客様がすることは主に3つあります。
1、都市計画図(市街化区域or市街化調整区域)
2、不動産謄本の確認
3、接道の確認
この3つをしっかりと調査して把握することでこの後に住宅ローン選びや手続きでの失敗を少なくすることが可能になりますのでここ大事です!
1、都市計画図を確認
実家の土地が市街化区域なのかそれとも市街化調整区域なのかで農地転用の手続きとかかる時間が大きく違ってきます。都市計画図を見るとそれがわかります。
都市計画図とは→ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%83%BD%E5%B8%82%E8%A8%88%E7%94%BB%E5%9B%B3
該当の土地の住所+都市計画図で検索するとその土地が市街化区域なのか市街化調整区域なのか、用途地域などもわかります。
市街化区域の場合
市街化区域とは何か?すでに進められて市街地になっているところと概ね10年以内に市街地として整備を図るべき区域のことです。
土地が市街化区域の場合の農地転用は農業委員会という市町村に設置されている農地法に基づく権利移動の許可や法令に基づく事務を執行する行政委員会に届出をします。
届出だと期間が2週間程度だったりと農地転用ができるようになるまでが短く済みます。行政書士への費用も市街化調整区域よりも安かったりします。お客様によっては自分でやった方もいます。
市街化調整区域の場合
市街化調整区域とは何か?市街化を抑制したい区域のことで農地転用も市街化区域よりも厳しくなります。特にかかる期間には注意してください
都市計画図を見て土地が市街化調整区域だったのであれば農業委員会の『許可』が必要になります。届出と許可では手続きが大違いなので時間にゆとりを持って農地転用の手続きをしてください。
2、不動産謄本の確認
以前は土地の不動産謄本は法務局に言って取得していましたが今はネットから取得が可能になっています。住宅ローン審査でもネットから取得したと謄本で受付してくれます
土地の不動産謄本を取得したら確認して欲しいところが3か所あります。
1、所有者
2、地目
3、面積
所有者を確認して本当に両親もしくは祖父母なのかを見ます。例えば親と思っていたら祖父母+両親だったケースもあります。親は自分名義になっていると思い込んでいたようです。
農地転用の許可の問題
祖父母の場合でもいいのですがその場合は銀行に行くことができる状態かを確認してください。土地の名義人を変更しないで建物を建てる場合、物上保証人として一緒に銀行に行くことになります。
もし銀行に行けないような状況の場合は『贈与』を検討して見てはいかがでしょうか。相続時精算課税制度であれば2500万まで贈与税なしですが小規模宅地の特例が使えなくなるなどのデメリットもあります。
ここで名義をそのままか、それとも贈与かはとても重要なところです。なぜなら農地転用の許可の取り方が違うからです。
例えば祖父母や親の名義のままで農地転用するのであれば使用貸借での許可となり、贈与によって自分名義にするのであれば所有権の移転で許可となりますのでご注意ください。
ここでうっかりするとつなぎ融資が出せないということもあり得ますので失敗しないようにご注意ください。住宅ローンの審査や手続きは適当にするものではないです
地目や面積も農地転用に関わる問題ですし接道義務や面積によっては分筆を考慮に入れることも必要なので早めに家屋調査士などに相談してください。
農地転用で選んではいけない住宅ローン
市街化区域での農地転用での住宅ローン
ここでも市街化区域と市街化調整区域では大きな違いがあります。市街化区域も場所によっては農地が宅地になった瞬間に価値が高くなったりします。
住宅ローン選びにおいては土地の担保評価というものはとても重要なもので市街化区域で宅地になるのであれば住宅ローンの審査にはいい方で影響があります。
市街化調整区域での住宅ローン
それに対して市街化調整区域の場合の住宅ローン選びは注意する必要があります。例えば農地転用して宅地になったとはいえ市街化調整区域の土地の担保評価は市街化区域よりも低いです。
基本的にネット銀行やメガバンクなどでは厳しい結果になることが多く避けるべきです。市街化調整区域取扱い不可と書いているネット銀行もあるくらいです。
ソニー銀行 市街化調整区域は不可 → https://moneykit.net/visitor/hl/hl04.html
フラット35や地方銀行などでは取扱してくれることが大きのでその2つを中心に考えていくことになります。そうなると金利がという話になりますが仕方がないと割り切ることも必要です。
住宅ローンでのつなぎ融資での注意点
先ほど不動産謄本の名義人の確認のところで贈与するかそのままの名義にするかでは農地転用の許可の種類が違うという話をしましたがそれはつなぎ融資で影響がでることがあります。
通常の贈与で名義人を変更、地目を宅地に変えるために農地転用をするのですが農地転用の許可を本来は所有権移転で取得するところを使用貸借で取得したばかりに着手金の支払いができないということがありました。
その時に仮審査が承認になったのですがその条件としてつなぎ融資までに地目と所有権を変更することということになっていたことを知らなかったので使用貸借で許可を取っていた。
しかしそれだと建物が完成しないと地目も所有者も変更できないと言われて困ったことがあります。住宅ローンの仮審査が承認になったら必ず承認の条件を確認するようにしてください
親の土地に家を建てるメリットデメリット
親の土地に建てるメリットとは
親の土地に家を建てるメリットはやはり土地代金を建物にかけることができるという点です。今や円安の影響で建物もかなり高くなっています。
そんな時に土地代がいらないのは本当に助かることです。またお子様が小さい時には親に面倒を見てもらって働きにいけるというものよく聞きます。仕事から帰ってきたら夜ご飯ができているのは助かるというものです。
親の土地に建てるデメリット
しかしその反面デメリットもあります。それは親がどんな気持ちで土地を提供したのか、ということです。将来自分たちの面倒を見てほしい、そんな希望を持っているとどうでしょうか。
家を建ててからではどうすることもできません。散々親に面倒を見てもらっておきながらいざ、親が年老いた時に親の面倒はイヤだは通る話でしょうか。
そんなこともきっちりと取り決めしてから決めた方がいいです。『親の面倒を子供が見るのは当たり前でしょう』と言われた人が何人もいます。
まとめ 農地転用で選んではいけない住宅ローン
親の土地に家を建てる場合はまずは土地のしっかりと調査をすることになります。都市計画図での市街化区域か市街化調整区域なのかで農地転用は届出か許可かでかかる時間が大きく変わります。
また農地転用でマイホームを建てる場合には審査が厳しい銀行がありますので住宅ローン選びは慎重に行う必要があります。
特にメガバンクやネット銀行は農地転用での住宅ローンの審査が厳しい傾向にありますので地方銀行やフラット35などと合わせて審査をしてください。
農地転用が必要な場合には住宅ローン選びからつなぎ融資まで気を配ってください。保証会社によっっては許可の取り方によってはつなぎ融資ができないなんてこともあります。
今回は親の土地に家を建てる場合の農地転用、住宅ローン、つなぎ融資などの手続きの注意事項に関してブログにしました。参考になればと思います。
もし自分たちではできないと思ったらご相談ください。
永野FPオフィスの住宅ローン相談
担当FP 永野 修
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『審査の通らない住宅ローンに価値はない』
クレジット会社で17年間毎日CICを見てきたのでどうしたら審査が通るのかがわかるという職業病を武器に他社ではできない住宅ローン選びをメインとしています。ローン業界に30年以上の豊富な経験と年間100件以上のマイホーム購入のお手伝いをしています。お客様の80%は公務員であとの20%は医師と看護師になっています