全く違う肥後銀行と熊本銀行の住宅ローン
熊本でマイホームを建てる場合ハウスメーカーや工務店から住宅ローンを案内される場合有無を言わさず熊本銀行か肥後銀行の住宅ローンを案内されます。
熊本県では実際にこの2行でかなりのシェアを持っていると思われます。ハウスメーカーや工務店はこの2つの銀行、熊本銀行と肥後銀行の使い分けをどうやっているか知っていますか?
実はほとんどの場合深く考えてないのです。もう少し言うならば自分達が使い勝手の良い方を使っているだけです。自分の会社のメインバンクが熊本銀行だからとかそんな感じです。
でもそれって家を建てるお客様には何にも関係ないことと思いませんか?そう、熊本のハウスメーカーや工務店では住宅ローンに関しては全くお客様第一主義ではないのです。
『え?だって熊本銀行も肥後銀行も同じ変動金利でしょう?』
もしハウスメーカーのセールスの知識はそんなレベルですが実はこの2つの銀行の住宅ローンは似て非なるもので変動金利とがん団信付きが同じくらいであとは全く別の住宅ローンなのです。
そんなセールスから家を建てるのか?と言う本質的な問題はここでは置いておきましてお客様から考えた熊本銀行と肥後銀行の住宅ローンの使い方はどう違うのでしょうか。
ここを知らないともしかしたら人生を大きく分ける問題に直面するかもしれないのです。今回は実話から説明したいと思います。
金利は熊本銀行の方が安い
比較するからにはまず最初にすることはもちろん金利に関してです。金利は熊本銀行の方が低く0.725%になっています。それに対して肥後銀行は0.825%となっており金利に関しては熊本銀行に軍配が上がります。
ですが熊本銀行が保証料が必要なのに対して肥後銀行はお客様によってですが変わりますが保証料が不要になっておりシミュレーションすればその差がないことがわかります。
4000万円 35年払いで計算してみます。下の比較を見るとほとんど変わらないことがわかります。金利が高い肥後銀行の方がほんの少しだけ(10万円程度)安いかもしれません。
肥後銀行 月122,738円 保証料なし トータル 45,788,547円 熊本銀行 月119,404円 保証料約80万 トータル 45,886,873円
肥後銀行はつなぎ融資を使わないのですが熊本銀行はつなぎ融資を使い融資手数料が必要です。その分肥後銀行は登記費用がかかりますので数字の上では互角です。
最近では公務員と年収700万円以上の方向けにプレミアムローンと称してもっと金利が低いローンも要旨されています。一般団信のみですが0.475%です。この金利であればどちらも銀行も同じです。
と言うことはこの2つの銀行を選ぶ場合は金利などの数字以外のところで選ぶことになります。ちなみに審査の通りやすさも互角です。
ローンの支払い開始が違う
ここからが肝心のところになりますのでよく知っておいてほしいのですが、この2つの銀行の住宅ローンの違いは主に3つあります。
1、ローン支払い開始時 2、団体信用保険の適用時期 3、団信の内容
まずはローンの支払い開始時期から説明します。マイホームを購入する人の多くは購入前は賃貸住宅で家賃を払っている方が多いと思われます。マイホーム建築中も居住している限りは家賃の支払いは続いています。
もし家賃支払い中に住宅ローンの支払いもプラスされたら家計は大丈夫でしょうか。2重の支払いとなるわけです。これは結構大変です。どちらの銀行がこの2重支払いになると思いますか?
実は肥後銀行です。
熊本銀行の住宅ローンはつなぎ融資を使いますので支払い開始は引き渡しの翌月からとなります。つまり賃貸の支払いと重なることはありません。
それに対して肥後銀行はつなぎ融資を使わないですぐに金銭消費貸借契約が行われます。と言うことは賃貸の支払いと住宅ローンの支払いが重なることになります。
もし預貯金が潤沢にないお客様の場合は賃貸と住宅ローンのダブルの支払いは家計にとって結構大変なことが予想されます。ただし引き渡しまで利息のみの支払いでもOKなので多少はいいかもしれませんがそれでもダブルのは大変です。
ここから言えるのは賃貸とローンのダブルになると大変と言う方は熊本銀行を選んだ方がいいと言う結論になります。
団体信用保険の適用開始も違う
もし住宅建築中に交通事故があり旦那様がお亡くなりになったらどうしますか?これも家計と今後の家族の人生に大きな問題を残します。
土地購入時して支払った後に事故が起こってしまった場合どちらの銀行ならローンの支払いは団体信用保険の適用で支払うことなしにそんまま建てることができるのでしょうか
これも肥後銀行です。
団体信用保険は基本的に金銭消費貸借契約後から適用開始となります。熊本銀行と肥後銀行では金銭消費貸借契約のタイミングが違うので当然団信の適用開始時期も違います。
肥後銀行は本審査承認後にすぐに金銭消費貸借契約となりますので団体信用保険の適用が土地決済後になります。これは非常に大きなメリットになります。つまり土地決済後であれば団体信用保険の適用で建物代金も支払うことなしなのです。
ただしがん団信は3ヶ月間の免責期間がありますので3ヶ月後になりますが保険の適用になります。もし建築中に癌になったのがわかった場合はその後の人生に大きな影響があります。これもかなり怖いことです。
それに対して熊本銀行の場合つなぎ融資に団体信用保険がかかっていることから住宅ローンの金額全てには適用になりません。
団信の内容は熊本銀行の方に軍配が上がる
最後に双方の団体信用保険には一般団信である死亡したら適用というものとがんになったら適用というものがありますがそのほかでは少し違います。
例えば癌になった場合肥後銀行では配偶者が女性特有の癌の場合には一時金100万円が支給されますが熊本銀行 では申込者です(主債務者)
また入院一時金の10万円もついていますが肥後銀行は主債務者のみですが熊本銀行は夫婦ともについています。異常分娩が発生した時熊本銀行であれば10万円もらえますが肥後銀行では主債務者でない限り貰えないです。
いかがでしょうか。
つなぎ融資のあり、なしだけでもこれだけ違いがあるのが肥後銀行と熊本銀行の住宅ローンです。ここに団体信用保険の違いもありますので何にも考えずに利用しているハウスメーカーがいかにお客様のことを考えていないかがわかると思います。
住宅ローンの真剣に考える価値を理解していただけたのではないかと思うのです。熊本の2つの銀行でさえこれだけ住宅ローンを選ぶ論点があるのです。
これに加えてネット銀行や長期固定金利などまで入ったら初めてマイホーム購入を買う方がわかるわけがありません。金利や団信の内容だけで選んで良いはずないのがわかっていただけたのではないかとおもいます。
住宅ローンの支払いはマイホームのコストだけではなく自分や家族の人生にまで大きな影響を与えます。しっかりとかつ真剣に自分で調べてから住宅ローンを選びましょう。もしそれでもわからない場合はご相談ください。
ライフプランから引き渡しまで戦力でサポートさせていただきます。
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